『TETSUYA KOMURO ARCHIVES "T"』 90年代を、いや80年代以降の日本のポップスを代表するミュージシャンでありプロデューサーの小室哲哉。彼の功績を、手がけた作品の売り上げや後続の世代に与えた影響から推し量ることはたやすい。しかし、むしろここで問いたいのは、彼の成功がJ-POPやそのリスナーにどのような影響を与えたかという点だ。坂本龍一は、小室がホストを務めるトーク番組に出演した際、しばしば引き合いにだされる次のような発言を小室に向かって投げかけている。 坂本 [前略]TMN時代からヒット曲を作ってきて、ある種日本人の耳を教育しちゃったとこがあるよね。まあ、僕なんてちょっと困るとこもあるんだけど、あまり教育されちゃうと。あの小室流のメロディー・ラインとか、転調とかアレンジも含めて、そのビート感も含めて、先生として教育しちゃったからね。ある層をね。だからそれに引っ掛かる
![リズムから考えるJ-POP史 第2回:小室哲哉がリスナーに施した、BPM感覚と16ビートの“教育”](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/7379ecc4076df5d7514ee115bb5640f2185d5a62/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Frealsound.jp%2Fwp-content%2Fuploads%2F2019%2F03%2F20190330-tk.jpg)