インスブルック大学などが開発した量子テレポーテーション装置は、転送後の光量子ビットを測定し、都合の良い事象のみを選び出す「条件付き」で転送成功が保証されていた。光量子ビットは、測定を行った時点で消滅する。成功判定の測定を実施した時点で量子ビットは失われるため、量子ビット自体を情報処理に使用することができなかった。古澤氏は、「われわれは、(インスブルック大学などが開発した量子テレポーテーション装置が)情報処理に使えないという点で、“量子テレポーテーションに成功した”とは言えないと考え、主張してきた」と語る。 またインスブルック大学などが開発した量子テレポーテーション手法は、量子ビットの転送効率が極めて低いという課題があるという。量子ビットを転送するために必要な量子エンタングルメント*2)の生成手法が、原理的に低い確率でしか動作しないとされる。古澤氏らは「最近の技術レベルを用いても100個の量