ジョンソンによる警句の背景 先日のエントリについて、サミュエル・ジョンソンに関する説明が足りないのではないか、という指摘を受けた。そこで補足を…と思ったのだが、残念ながらぼくは18世紀の英国について専門的に研究しているわけではない。 そこで手抜きではあるが、ローハン・マックウィリアム『19世紀イギリスの民衆と政治文化』(昭和堂、2004年)という著作から、ジョンソンに関する記述を引用してみたい。 18世紀および19世紀の大半を通じて、愛国主義は急進主義の基礎となるイデオロギーと、エリートたちを攻撃することができる反対派の言葉を構成していた。エリートが利己的で国を愛する気持ちを持たないものとみなされる一方、急進主義者は国の繁栄を気づかう高貴な精神の持ち主であると主張することができた。(中略) トーリ党の支持者であったジョンソン博士が「愛国主義は不埒なやつらの最後の隠れ家だ」と不満を述べたとき