現在は舞台装置の制作を中心に活動している竹内志朗さん=大阪市中央区、京谷写す テレビ局に「タイトルさん」と呼ばれる職人さんがいた。番組名やニュース見出しの字幕を様々な字体で書き分けた。開局以来欠かせない存在だったが、コンピューターに取って代わられた。「忘れられた仕事」を記録に残そうと、元タイトルさんが本を書いた。 大阪テレビ放送(現朝日放送)を中心に働いた大阪市中央区の竹内志朗さん(77)。絵を描くことが得意で、高校卒業後はデザイン会社に勤めていた。映画の字幕を書く仕事をしていたこともあり、1956年に同局が放送を始める半年ほど前、知人から声をかけられた。 同局では当時、7人が字幕を書く仕事を担当した。誰が言い始めたのかは分からない。いつしか竹内さんたちは「タイトルさん」あるいは「テロップさん」と呼ばれるようになった。当時タイトルさんをできる人は少なく、竹内さんは読売テレビや毎日放送