オランダ総選挙で何が起きたのか 「国の価値観に合わない人は、出て行け」 どっきりするようなメッセージが入った新聞広告がオランダ各紙に掲載されたのは、今年1月のことだ。 旧植民地、中東、北アフリカ、東欧などから多くの移民を受け入れてきた、多文化主義の国オランダのルッテ首相がこんな発言をするほど、「寛容の国」とも言われた国で移民社会への厳しい視線が表面化している。 3月15日に行われたオランダの下院選挙では、ルッテ首相の中道右派の自由民主党(VVD)が最大議席数を獲得し、第1党の座を維持したものの、ヘイトスピーチで有罪となった人物が党首となる反移民・反イスラム教の自由党(PVV)は選挙前の第3党から第2党に浮上した。 オランダで何が起きたのか。 16日朝、95%の票が数えられた結果によると、下院の総議席数150のうち、連立政権の与党VVDが33議席を獲得し、第1党を維持。前回より8議席の下落だ