日本の大動脈を狙った犯罪が起きた。1993年8月28日深夜、滋賀県彦根市のJR東海道新幹線で、レールに鉄製チェーンが巻き付けられ、その上を「のぞみ」が通過して緊急停車した。約2カ月前には岐阜県でも新幹線の線路にワイヤロープが巻かれる事件が起きた。現場には「墨子」を名乗る犯人の犯行声明文が残っていた。脱線転覆の危険があった極めて悪質な犯行。滋賀・岐阜両県警は「墨子」の正体を突き止めようと警察の威信をかけて捜査したが、犯人特定に至らないまま時効を迎えた。 新大阪行き下り最終列車の「のぞみ」が彦根市小野町を通過したのは午後11時15分ごろ。異常音を感知し、列車は約4キロ先で緊急停車した。 「レールの下を掘ってチェーンを巻きよったな」。当時、滋賀県警捜査1課長として彦根に急行した池﨑忠夫さん(82)は、現場の状況を見てそう感じた。「ばらばらになったチェーンが100メートルほどにわたって飛び散ってた
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