いったい私はなにをしているのだ? どうして、ここにいるのだろう? そして、この大きなロボットは、なんのためにあるのだ? 森博嗣さんのZシリーズ第2弾、ZOKUDAMです。 続編で登場人物も同じなんですが、前作とはつながっていない感じです。ZOKUとTAIがZOKUDAMとTAIGONになって、悪さをする側と防ぐ側の立ち位置が逆になって、それに伴ってメインの語り手がお色気担当ロミ品川に変わっています。いわゆるスターシステムというやつでしょうか。作品の性質に忠実に例えるなら、ヤッターマンシリーズのように、同じようなキャラが違うストーリーを演じているってところですかね。 ちょっと多めに年を重ねたOL・ロミ品川は、会社のセクハラ上司か何かに一発報復をかましてしまったために配置変更になり、遊園地の地下にある謎の部署に異動させられます。ちょっととぼけた新入社員ケン十河と一緒に参加することになったプロジ
月球 土田 世紀 全一巻の名作マンガ (痕跡症候群さん) という記事を読みました。このお題だと、かなり沢山あると思います。リンク先でも色々な作品が挙げられていて、いずれもなるほどと納得の作品ばかりなのですが、僕が挙げるとしたらこれ。いわずと知れた土田世紀さんの作品ですが、内容は定時制高校を舞台にした野球モノという異色作です。 天才投手として球界を沸かせながら、突然姿を消してしまった男、水井が定時制高校に入学するところから物語は始まります。おりしも、定時制の大会を控えている野球部の面々は、水井をチームに引き込もうとしますが、彼には野球を諦めざるを得ない理由があった…。 定時制の話ですから、チームメイトたちの年齢もバラバラ。オカマとかいるし。そんなメンバーが野球を通して一つになっていく。そんなひたすらベタで熱いドラマです。帯の推薦文を哀川翔さんが書いていたのも有名な話。「熱いぜ○○!イカスぜ●
レインレイン・ボウ 加納 朋子 高校時代、ソフトボール部の一員だった知寿子が死んだ。"チーズ"の愛称で呼ばれ、ソフトは下手だったけど、華やかな雰囲気と笑顔で誰にでも好かれた少女だったが、もともと心臓が弱いことで知られていた。会社員としての仕事が負担になり、病状を悪化させてしまったのだろうか。彼女の葬式で、久しぶりに顔をあわせたかつてのチームメイトたちはそれぞれ、知寿子との記憶に思いを馳せるのだった…。 こいつは結構すごい、です。 唐突ですが、ミステリはしばしばパズルに例えられます。パズルの醍醐味は、個々のパーツが組み合わさることで新しい絵を描きだすところにあるわけですが、もともとのピースがよりバラバラで、一見すると組み合わさりそうもない物であれば、解けた時の快感はより大きくなります。 本作は加納さんお得意の連作短編集。20代の中盤に差し掛かり、それぞれ家庭や仕事を持っている学生時代のチーム
「身銭切れ」心臓移植希望の女児支援HP、中傷相次ぐ 最近世間を騒がしているこの話なんですが、最近肉親を亡くしたものとして思うところがあるので書いてみます。 なんであれ「死ぬ死ぬ詐欺」というのはひどい言い方だし、ご両親の娘さんをなんとか助けたいという思いに嘘はないと思う。なのですが…ですが、正直言って募金という行為自体にどうしても拭いきれない違和感を感じてしまう自分がいます。自分がどうしてそんなふうに感じるのかを考えてみると、募金には、ある意味で「裏技」的なところがあるからなんじゃないか。ゲームにたとえれば(不謹慎ですいません)、普通にプレイしても手に入らないような額を、所持金のデータをいじって手にしてしまうような。 僕の話をします。僕は、この夏の父の入院~死にあたって、何の金策もしませんでした。借金も、財産を売ることも、もちろん募金も(64才の癌患者に募金が集まるはずはないけど)しませんで
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く