数多く存在する経営ツールの中で、ここ最近、利用率でも満足度でも、急速に地位を高めているのが、CRM(Customer Relationship Management)です。昨年末のHarvard Business ReviewでもCRMの躍進ぶりが他の経営ツールとの比較という文脈で好意的に取り上げられています(注1)。 CRMの成功例としておそらく最も有名なのがAmazon.comのケースでしょう。Amazon.comはユーザーの購買履歴や過去にチェックした商品のデータに基づいて、ユーザーごとに異なる「お勧め」の商品情報を提供してくれます。さらにユーザーが好みそうな新刊情報も、定期的にメールで知らせてくれたりもします。この舞台裏には、大規模なCRMのITシステムが構築されているのです。 とはいえ、Amazon.comのビジネス・モデルには「凄い」と関心しても、実際にオンライン・ショップとは