本当に面白くて一気に読んだ。著者は1960年生まれ。僕と同年の生まれ。「1976年の猪木」に、高校生のとき、著者もきっと僕と同じように熱狂していたのだろう。 僕はプロレスや格闘技を見るのが好きだが、マニアというほどではない。プロレスについて何かを語れるほどの知見はないが、プロレスの世界のこの四十年のだいたいの流れは知っている。日本に住んでいたときまでは、子供の頃からだいたい大切な試合はテレビで見てきた。全日本プロレスの試合とかSWS(メガネスーパーと天龍が組んだ団体)の試合を、結婚したばかりの頃、妻と見に行ったりした。いまはときどきPRIDEやK-1のビデオを借りて見る。アメリカの本場のプロレス(WWF、現WWE)は、一度だけサンフランシスコ郊外の「カウパレス」まで妻と見に行った。日本と違って客層がかなり怖くてドキドキした。 そんな程度のファンだ。 だから本書が提示するプロレスについての「