全国各地に存在する由緒ある神社「一ノ宮」とその御神体の山を訪ねた記録集「諸国一ノ宮山歩(さんぽ)」を、愛知県愛西市見越町の若山聡さん(54)がまとめ、風媒社(名古屋市)から出版された。 若山さんは岐阜大在学中に山歩きを始め、国内の有名な山のほとんどを登ってきた。40歳を過ぎ、気分がふさぎ込んでいたころに山形県の出羽三山に登った。そこで感じた「神々しさ」に動かされ、山岳信仰の歴史に興味を持ち、神社参拝と山歩きの両方を一緒に楽しむようになった。 この本は「民俗学的山登り」と称し、若山さんが10年近く続けている旅の果実だ。東海に始まり東北から九州まで、これまでに約40カ所の一ノ宮を訪ねた。それぞれの場所で、その地域の歴史に思いをはせ、聖域とされる山に登り、体感したあれこれを景観とともにつづっている。 登頂の達成感がもたらしてくれる若返り気分を「山の霊力度」とみなし、踏破する「難易度」とともに、星