NHK連続テレビ小説「花子とアン」をきっかけに情熱の歌人、柳原白蓮が、再び注目を集めている。 白蓮と宮崎龍介は、700通に及ぶ恋文を交わしていた。門外不出だった書簡を宮崎家から提供され、『白蓮れんれん』を執筆した林真理子さん=写真=は、「劇的な事実に突き動かされるようだった」と振り返る。 <私は金力を以て女性の人格的尊厳を無視する貴方に永久の袂別(わかれ)を告げます>。新聞に掲載された夫伝右衛門への絶縁状は、「女性解放」を叫ぶ大正デモクラシーを背景に、賛否両論の大論争を巻き起こした。 龍介は、白蓮の死後「文芸春秋」に寄せた手記で、別府の別荘での出会いを淡々と追憶している。<事務的な話をしただけで、とくに印象に残るようなことはありませんでした> しかし、帰りの道中で熱烈な手紙を書き送っていた。「あなたの面影が忘れられない、と。一目ぼれだったのでしょう」と林さん。白蓮も「お慰みまでに、私の写真