文:ハコオトコ 写真:斉藤順子 スーザン・ネイピア米タフツ大学修辞学・日本研究コース教授 専門はアニメーションと日本文化。1955年生まれ。ハーバード大学で84年、三島由紀夫・大江健三郎研究で博士号取得。テキサス大学教授などを経て現職。著書に『現代日本のアニメ――「AKIRA」から「千と千尋の神隠し」まで』(神山京子訳、中公叢書)。 「ナウシカ」は大人向けの娯楽と気付いた ――本作では、宮崎アニメが生み出された背景や作品世界の裏にある監督の真意について、膨大な資料や宮崎駿本人へのインタビューを踏まえ、彼の個人史や時代背景についても緻密に分析しています。日本でもアニメを高度な文芸作品として研究するようになったのは比較的近年です。もともと米国で日本文学を専攻していたネイピアさんが日本アニメを研究するきっかけは何でしょうか? 私が若い時、米国では「アニメや漫画は一切研究する価値が無い」と言われて