「秀和レジデンス」と呼ばれるマンションがある。建設されたのは高度経済成長期の真っただ中だった1960年代から80年代。ざっと築30年から50年というかなり古い建物だが、現在も東京を中心に130棟以上が現存している。 建物の大きな特徴は青い瓦屋根と白い塗り壁、アイアン柵のバルコニー。秀和レジデンスという名前は知らなくても、東京に縁がある人はこの外観をみたらピンとくる人も多いのではないだろうか? 秀和高円寺レジデンス 写真提供:『秀和レジデンス図鑑』(トゥーヴァージンズ) 現在、この秀和レジデンスがSNSなどを中心に大きな注目が集まっている。大きなきっかけは2022年2月、秀和レジデンスの歴史をていねいに紐解き、その魅力をマニアックな視点で紹介する書籍『秀和レジデンス図鑑』が発売されたことだ。 「こんなマニアックな本、誰が買うの?」理解されなかった10年間 著者は不動産・リノベーション会社の代