農業人口の減少、高齢化が急速に進む日本。その解決策の一つとして農業のハイテク化が進んでいる。中でも注目を集めるのがAIやロボティクス技術を駆使した「ロボット収穫機」だ。農作業全体の20%を占める収穫作業をロボットに任せ、効率化をはかろうというのである。既にロボットを稼働させ、技術やノウハウの発展をめざす先進的な農園も現れた。この農園を訪ね、現状や展望を取材した。 労働の20%を占める収穫労働を自動化 日本の農業が直面する最大の課題は、農業就業人口の減少や高齢化である。2005年に335.3万人だった農業就業人口は、2010年に260.6万人に、2016年には192.2万人に落ち込んだ。一方、高齢者比率は高くなり、2005年に農業従事者全体の58.2%だった65歳以上の農業就業者は、2010年には61.6%に、2016年には65.2%に達した。