大企業だから信用できる、というのはおそらく正確ではないであろう。 大企業を信用の基軸にすることにしたのである。 たとえば代金を踏み倒されたら裁判をやって取り返せばいいというタテマエだが、裁判自体にお金が掛かるし、だいたい踏み倒すような会社に金など無い。 つまり、踏み倒しをしないという信用が大企業にはある、というより、そのような信用を担っている。 そういう意味では、大企業は社会の公器なのである。 立派な人格者が集まっているわけではないが、滅多に倒産はしないし、夜逃げはしないであろうということである。 もしくは、大企業の信用を社会で支えることになっているのだ。 大企業で不祥事が起こることだって珍しくはない。 だが、その不祥事の責任は取るし、消費者への補償もする。 信用システムとして、そう決まっているからである。 不祥事を起こしても責任は取るだろうと信じられているのが信用なのである。 悪いことを