気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン (前回より続く) 総選挙を呪縛する2009年8月 ついに首相の解散権が行使された。その決断には様々な議論が出たが、それが民主党政権の清算まで射程に入れたものなら話は違う。野田佳彦は、最高権力を失う恐怖を振り切って勝負に出た。いずれにせよ幕を開けた2012年12月の総選挙は、改めて意思決定システムの構造的矛盾をあぶり出す契機となるだろう。 始まりは1993年7月の総選挙だった。冷戦終結とバブル崩壊で、自民党政権のシステムは機能不全となった。ここから非自民の枠組みで、小選挙区制の導入が唱えられる。その先にある政権交代で、やがて意思決定は機能するはずだった。それこそが、戦後国家が最後に目指すべき「坂の上の雲」だったからだ。 この総選挙では、父・角栄