米南部沖のメキシコ湾で2010年4月に石油掘削基地が爆発し、大量の原油が海に流出した事故で、米司法省は24日、英BP社の元技術者を司法妨害(証拠隠滅)容疑で逮捕したと発表した。同事故で逮捕者が出たのは初めて。 同省によると、元技術者のカート・ミックス容疑者は、海底の壊れた安全弁に泥状のものを流し込む「トップキル作戦」に携わった際に携帯端末で受けたメッセージ200通以上を、その後に消去した疑いが持たれている。当時の公表より実際の原油流出速度が速く、現場では作戦失敗を予想していたとの機密情報も含まれていたという。 これを皮切りに、捜査当局は「米国史上最悪の環境災害」を引き起こした関係者の刑事責任を追及する方針だ。同事故では作業員11人が犠牲になったほか、海底の油井から原油約78万キロリットルが流出したと推定されている。(ニューヨーク=真鍋弘樹)