安楽死が非合法のフランスで、重病の男性がサルコジ大統領に安楽死の権利を認めるよう求める手紙を送ったが、否定的な返事を受け取り間もなく自殺したことが13日、分かった。フランス公共ラジオが伝えた。 男性(23)は、6歳から脳や骨格筋などに異常が生じるミトコンドリア病に苦しんでいた。今年5月に「苦痛から解放されるため死を許可してほしい。法律を変える必要がある」とサルコジ氏に手紙で訴えた。 今月8日に届いた返事は「故意に生命に終止符を打つ権利はわれわれにないと信じている」とし、「個々の事情に最適の解決策を探るため、患者と医師、家族との対話を後押ししたい」との内容だった。男性は9日から10日にかけ、薬を飲み自殺した。男性の母親は1999年、男性の安楽死を試み失敗。殺人未遂の容疑者とされたが、刑事処分は免れていた。(共同)