東京電力福島第一原子力発電所の事故収束に向け、最も復旧作業が進んでいた1号機で、大量の燃料が溶融し、圧力容器の底部にたまる「炉心溶融(メルトダウン)」が判明するなど工程表の見直しを迫るトラブルが相次いでいる。 事故から2か月経過した今になって、こうした想定外のトラブルが発覚したのはなぜか。背景を追った。 ◆メルトダウン◆ 「(全炉心溶融は)想定しなかった。認識が甘かった」 細野豪志首相補佐官は13日開かれた政府・東電統合対策室の記者会見で見通しの甘さを認めた。 福島第一原発1〜3号機は、東日本大震災によって冷却機能を喪失、水で満たされているはずの燃料が露出した。必死の注水作業を続ける東電は、「燃料の一部は溶融したが、メルトダウンはしていない」としてきた。経済産業省原子力安全・保安院も同様の見方で、先月17日に東電が発表した原子炉安定化に向けた工程表は、これを前提にした作業計画だった。それだ