障害者の経済学 作者: 中島隆信出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2006/02/10メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 120回この商品を含むブログ (23件) を見る 本書は、脳性マヒの子どもを持つ経済学者が書いた障害者論である。その内容はバランスが取れていてかつ政策的なインプリケーションも豊富で、よくありがちな「フクシフクシした感じ」の障害者論に違和感を覚える人には新鮮だろう。もちろん、そういう「フクシフクシした感じ」こそが著者のターゲットだ。実際、本書を読んで「目からうろこがおちた」という感想を何度か目にした。一方、カゲキな障害者運動や思想を多少とも知るものにとっては、政策的な部分や経済学的な解釈はともかく、障害に対する価値観や規範意識に言及している部分は「目からうろこ」というほどではなく、「まぁそうだよな」という感覚をベースに読みすすめる、という感じになるだろう