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ブックマーク / oda-makoto.hatenadiary.org (4)

  • 「真正性の水準」再考 - 小田亮のブログ「とびとびの日記ときどき読書ノート」

    海とばばさんは、 「スピリチュアル」になぜ突然(?)反応し始めたのかなあと思っておりましたが、「個人化」のところからそちらへ発展したんですね。 と書いていますが、もともと災因論の研究から調査研究を始めて、アフリカのクリア社会では占い師のところに通いつめていたんですよ。もっとも、それを「スピリチュアル」とか「スピリチュアリズム」という語では呼びません。というのも、19世紀にイギリスで始まったスピリチュアリズムは、始まったときから、科学的言説とメディアに媒介されたものだったからです。つまり、非真正なレベルで客体化されたものです(その意味では「原理主義」と同じ誕生の仕方です)。そのような非真正なレベルとは異なる、真正な社会での占いは、道具立ては同じでも意味が異なっています。まさに、海とばばさんが沖縄のユタについて言っているように、「『しがらみ』との兼ね合い」において働いているのであって、「しがら

    「真正性の水準」再考 - 小田亮のブログ「とびとびの日記ときどき読書ノート」
  • 小田亮のブログ「とびとびの日記ときどき読書ノート」 - 『現代アメリカの陰謀論』を読む

    安部首相のあまりにも不可解なタイミングの退陣表明のあと、ウェブ上ではアメリカ・ブッシュ政権の陰謀とか某カルト宗教団体の陰謀など、「陰謀論」が飛び交っているようです。「陰謀論」は、マスコミではほとんど流れていないという点に特徴があります。逆に言えば、麻生クーデター説のように、マスコミに出ているものは「陰謀論」とは呼べないということです。マスコミにはけっして出ない「真相」があるという信念の背景には、外国やエリート集団や秘密結社や宗教集団や宇宙人などといった、影で社会を動かしている巨大な権力が、政府やマスコミをも動かして「真相」を隠しているのだから、むしろ政府の公式見解やマスコミに出てきたものはすべてまやかしだという信念があります。 「陰謀論」の人気は、誰も全体を見通せなくなっている現代社会の複雑さを一気に単純にして縮減してくれることと、自分だけが「真相」を知っているという自尊心を与えてくれるこ

    小田亮のブログ「とびとびの日記ときどき読書ノート」 - 『現代アメリカの陰謀論』を読む
  • 小田亮のブログ「とびとびの日記ときどき読書ノート」 沖縄戦の「歴史修正」からなにを学ぶのか

    海とばばさんに続いて、黄色い犬さんとmacbethさんからもコメントいただき、ありがとうございました。海とばばさんの、「証言をできる人たちが世代的に減っている今、こんな歴史修正がおこなわれている。何のための『歴史』なんでしょう」という言葉を受けて、黄色い犬さんが、「こういう『歴史』から学べることって、すごくつまらないもののような気がします」と書いています。歴史修正主義(歴史見直し論)によって修正された「歴史」から学べることはごくつまらないことしかないということには賛成です。日国家や旧日軍の行なったことで、「美しい国・日」のイメージに都合の悪いことは、「修正」していくわけで*1、歴史修正主義者にとって、「歴史」とは自分たちのアイデンティティを増長させるためのものであり、最初から「学ぶ」ものではないということでしょう。 そして、そこからいまの学生たちが学んでいることは、自分にとって都合の

    小田亮のブログ「とびとびの日記ときどき読書ノート」 沖縄戦の「歴史修正」からなにを学ぶのか
  • 「ニューエイジ運動」との連続と不連続 - 小田亮のブログ「とびとびの日記ときどき読書ノート」

    現在のスピリチュアル・ブームについての文献というのは、まだあまりありませんね。当たり前ですけど、研究はかなり遅れてやってくるんですね。香山リカさんのと信田さよ子さんの『論座』(2006年6月号)の論文くらいしかまだチェックしていませんが、両方とも研究とは呼べないものです。香山さんにしろ信田さんにしろ、臨床心理士でカウンセリングをしているわけで(精神科医の香山さんが臨床心理士の資格を取ったことは今回はじめて知りましたが)、スピリチュアル・カウンセラーを名乗っている江原啓之さんはいわば商売敵(「同じ穴のむじな」と言ったら怒るでしょうか)だから、反応が早いのでしょうね。現在のスピリチュアル・ブームは、「オカルト」文化や「ターミナル・ケア」(死生学)をはじめとする「スピリチュアル・ケア」から出てきたわけではなく、広い意味での「セラピー/カウンセリング文化」の中から出てきたわけで、その点からすれば

    「ニューエイジ運動」との連続と不連続 - 小田亮のブログ「とびとびの日記ときどき読書ノート」
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