<「どこへ行くのか分からないが、荷物をまとめて移動せよ」という命令で戦場に送られた挙句、約束されていた負傷手当は支払われず>【木村正人(国際ジャーナリスト)】 [ロンドン発]ロシア軍がウクライナに全面侵攻した今年2月、南部ヘルソンに送り込まれた露空挺部隊のパヴェル・フィラティエフさん(33)は今月1日、自らのソーシャルメディアに141ページの手記『ZOV』を公表した。調査報道を手掛けるロシアの独立系ウェブサイト「 iStories(インポータント・ストーリーズ、大切な物語)」でも取り上げられた。 【動画】3日食事なく「俺たちは捨て駒」と嘆き...補給を断たれた前線のロシア兵の映像 フィラティエフさんは露南西部ボルゴグラード出身で、2010年にはチェチェン共和国で兵役に就いた経験を持つ。その後、馬の調教師などをしたが仕事を失って金に困り、昨年8月、改めて兵役契約を結んだ。空挺部隊としてヘルソ