白波瀬達也著『宗教の社会貢献を問い直す―ホームレス支援の現場から』(ナカニシヤ出版、2015年4月20日) 日本の多くのキリスト教会では、路上生活者や生活困窮者への炊き出しなどの支援活動を行っている。しかし、その活動が社会の中でどう機能し、支援されている人々は何を感じているのか? それが考察されることはほとんどない。近年、宗教社会学の分野では、宗教団体の社会活動に関する研究が盛んになってきている。 宗教社会学者・白波瀬達也氏(関西学院大学社会学部准教授)による『宗教の社会貢献を問い直す』は、日本最大の日雇い労働者の町である大阪・釜ヶ崎でのキリスト教会による野宿者支援活動の実態を、2003年から約13年間、数百回以上現場を訪れて行った調査を基に、宗教社会学的視点から考察がなされた力作だ。また、1990年代以降盛んに行われるようになった韓国系プロテスタント教会によるホームレス支援や、沖縄におけ