沼津労働基準監督署(静岡県)は13日までに、自宅に仕事を持ち帰り長時間残業を続けたキヤノンの男性社員=当時(37)=の自殺について、過重な業務で精神疾患を発症したのが原因として労災と認定した。 労災を申請した妻の代理人の弁護士によると、男性はキヤノンの富士裾野リサーチパーク(静岡県裾野市)に研究職として勤務。平成18年11月30日、電車に飛び込み自殺した。 職場は午後10時までしか残業できない決まりだったが、男性は帰宅後や休日も深夜までパソコンを使って仕事をしていた。同年8月末から10月下旬まで54日間休まずに働いており、社内での勤務時間と合わせると、自殺前1カ月の残業は263時間に上った。 また研究成果を発表する「成果展」の準備で長時間残業。当日は慣れない研究分野の発表で質問にうまく答えられず大きな精神的ストレスを受けたという。