政治のバランスが崩れ、権力の集中が進めば、日本の民主主義は危機に追い込まれる。参議院議員選挙は、一つの岐路になる。労働組合は、そのバランスを保つためにも役割を果たさなければならない。 危うい政治バランス 自民党は野党に比べ、圧倒的に強い基礎体力を持っています。地域に行くほど自民党が強くなり、都道府県議員の約5割は自民党議員です。その上、多くの業界団体の支持があり、公明党とも連携して支持基盤を固めています。 野党が自公政権に選挙で勝つためには、(1)野党がまとまること、(2)無党派の追い風を受けること──の二つの条件が必要です。しかし、現状では、無党派の風はなかなか吹きません。それ以上に、「希望の党騒動」以降、民主党系の議員は、立憲民主党と国民民主党に分かれてしまい、自公政権に対抗するような力は残念ながらありません。 現在の政治情勢は、危険なバランスの上に成り立っています。1990年代以降、