人種というのは、「本質的」なものなのではなく、「文化的」に再生産され続けている概念だというのが、ポリティカルにコレクトネスな考え方とされている。だから、もっともカルスタ原理主義(変な言い方だが)的解釈では、コンドリーザ・ライスもコリン・パウエルも「白人」である。彼らは白人男性の形成したカテゴリーで階段をのぼってきたのだから。 日本のメディアの中にはなんの躊躇もなくバラク・オバマという人を「黒人初の大統領候補」と言ってしまう傾向があるが、もちろんこれはナイーブなわけである。バラク・オバマをさくっと「黒人」と言ってしまうのは、典型的な「血の一滴」理論なわけで、彼の母親は白人(スゥーデン系)で、ハワイにおいて白人の母親と祖母に育てられ、後に母親の再婚相手であるインドネシア人の義父に従いインドネシアに在住している。だから文化的にはアジア系に分類することさえ可能である。さらにシカゴ大学、ハーヴァード