新型コロナウイルス感染症のパンデミック発生以来、次亜塩素酸水をめぐる議論は、国民の中にもやもやした気分を抱かせてきた。ウイルス対策に有効なのか無効なのか、安全なのかそうでないのかについて、流行が始まって日にちがたっても明快な結論が提示されず、経済産業省、厚生労働省、国民生活センター、さらには文部科学省をも巻き込んだ混乱が続いてしまった。 決着を引き伸ばし、あいまいな態度を取り続けた国の行政 経済産業省が次亜塩素酸水の噴霧についてまとめた資料。WHOの見解として「消毒剤を人体に噴霧することは、いかなる状況であっても推奨されない」と書かれている だが一方、医学的・科学的な見地からは、事がらの性質は比較的単純であり、WHO(世界保健機関)、CDC(米国疾病予防管理センター)などの国際機関の基準と勧告に照らしても、確実にいえることが一つあった。消毒剤を人体に噴霧することはいかなる状況であっても推奨
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