「会長案件にも容赦なく手をつけた。中西(勝也)社長は覚悟を決めた」。2月6日、三菱商事関係者は声を上げた。 三菱商事は同日、現在50.1%出資する連結子会社のローソンの出資比率を50%まで引き下げ、KDDIと折半出資の「共同経営」に移行することを発表した。KDDIは4月以降、約5000億円を投じてローソンに対するTOB(株式公開買い付け)を実施し、9月をメドにローソンを非公開化する。 ローソンだけではない。三菱商事はケンタッキーフライドチキンを全国展開する日本KFCホールディングスの全株式売却(35%超保有)も目下、検討している。三菱商事でいったい何が起きているのか。 虎の子のローソンを子会社から外す決断 2017年のローソン子会社化(33.4%→50.1%)を推進したのは、食品など生活産業部門出身の垣内威彦社長(現会長)だ。当時、三菱商事は資源ビジネスで巨額の減損を計上し、戦後最悪となる