新元号「令和(れいわ)」の選定過程で、安倍晋三首相が「『万葉集』っていいね」と周辺に話していたことが、政府関係者への取材でわかった。首相は早い段階から国書を典拠とする元号を希望していたが、「令和」の典拠となった「万葉集」も、首相の意向に沿う選択だった。 複数の政府関係者によると、首相は2013年と18年に事務方から改元の準備状況に関する説明を受けたが「漏れたら大変だから、元号案は直前まで見せなくていい」と指示。実際に案を確認したのは今年2月末が最初だったという。 3月にかけて首相官邸幹部らと案について議論する中で、歴代の天皇をたたえる文脈の多い「古事記」や「日本書紀」より、庶民や防人らも含む幅広い層の歌が収められた「万葉集」が典拠にふさわしいとの考えを示したという。 政府関係者の一人は「首相は…