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ブックマーク / katukawa.com (34)

  • 水産養殖は、世界では成長産業、日本では衰退産業 - 勝川俊雄公式サイト

    では1970年代から、「これからは養殖の時代だ」と言われ、作り育てる漁業のために多額の公的資金を投じてきました。しかし、残念なことに、日の水産養殖業は生産性は低く、縮小傾向です。逆に世界に目を向けると、水産養殖業は急激に成長しています。FAOの統計をつかって、日の養殖生産のトレンドが、世界からいかに乖離しているかを見てみましょう。 養殖生産量のトレンド 下の図は、大陸別の養殖生産(重量)を1995年の水準で基準化したものです。どこの大陸でも養殖業の生産は順調に伸びているのですが、伸び率は途上国の方が高くなっているようです。アフリカは急激に伸びているのですが、元が少ないので絶対量はそれほど多くありません。絶対量が多いのは中国を含むアジアです。 養殖生産金額のトレンド 次に生産金額を見てみましょう。やはりアフリカがぶっちぎりですね。また、世界的に魚価が上がっているので、生産量よりも生産

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    urashimasan 2014/02/17
     ”1995から2011までの16年間に、世界の養殖生産金額は3.2倍に増えました。同じ時期に日本の養殖生産は28%も減りました。”
  • 宮城県復興特区における漁民の自治の侵害について - 勝川俊雄公式サイト

    宮城県が復興庁に申請していた「水産業復興特区(水産特区)」について、所管の水産庁は、 1)地元漁民のみでは養殖業の再開が困難である 2)地元漁民の生業の維持 3)他の漁業との協調に支障を及ぼさない という要件を満たすと判断し、昨年4月にゴーサインをだした。これをうけて、復興庁は昨年4月23日付で、宮城県が申請していた水産特区を認定した。そして、今年の9月の漁業権の一斉更新によって、水産特区に申請をしていた有限責任会社「桃浦かき生産者合同会社(桃浦LLC)」が漁業権を得ることになった。漁業震災から、2年半が経過して、ようやくの船出である。一方で、未だに宮城県漁協は、特区に対して反対の姿勢を崩していない。 特区に関して、多くのメディアは批判的な報道を繰り返してきた。たとえば、これを読んでほしい。 視点・論点 「漁業再生」 これに対して、漁民らは漁場利用の秩序が乱れると猛反発しました。 水産特区

    宮城県復興特区における漁民の自治の侵害について - 勝川俊雄公式サイト
  • 北海道ブロックの資源評価外部委員をクビになった - 勝川俊雄公式サイト

    水研センターの委託事業である、北海道ブロックの資源評価の外部委員というのを2004年からやっている。北海道の資源評価(スケトウダラ、ホッケなど)について、専門的な視点からアドバイスするのが役目だ。水研センターの上の方の意向で、「今年からは来ないでくれ」ということになった。その背景について説明しよう。 水研センターは、今回の事業仕分けの対象にもなった、水産庁の天下り先である。ただ、一般的な天下り法人とは違い、水研センターには、研究組織としての実態がある。水研センターは、北海道から沖縄まで、日全国に拠点を持ち、日の水産研究をリードしてきた由緒正しい組織なのだ。農水省由来の理事たちは、月給80万円で役所に都合が悪い研究をしているものがいないか監視しているわけだ。理事の経歴を一切書いていないのは、やましいからだろうね。(事情により一部削除、詳しくはコメント欄を参照) 研究機関である水研センター

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    urashimasan 2013/09/26
     2010年5月の記事 こうやって資源管理を妨げている人々は利権を守っているつもりなんだろうけど、わざわざ資源を減らして自分の首を絞めてるだけ。
  • 水産業における世界の常識と日本の非常識 - 勝川俊雄公式サイト

    BBCに水産資源管理の記事が掲載された。なかなか面白い記事なので、要約をしてみた。 Collective rights ‘offer hope for global fisheries’ http://www.bbc.co.uk/news/science-environment-24209950 アイスランドのアーナソン教授の見解。(Prof Arnason outlined his views at the ICES science conference in Iceland.) 世界の水産資源は乱獲と、生態系の破壊という深刻な問題を抱えている。 一部の海域では、水産資源の減少が停止したようである(オセアニアや北米の資源管理をしている国のことを指す) 世界中の最も貴重な水産資源は壊滅的な状況だが、良いニュースもある。乱獲問題を解決する方法がすでに発見されているのだ。 その方法とは、個人の

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    urashimasan 2013/09/26
     漁業権の個別割り当て
  • 漁獲管理・資源管理 ウナギが減ったのは誰の責任か? - 勝川俊雄 公式サイト

    では、ウナギを守るための実効性を持った取り組みは現在進行形で行われていない。非持続的な消費は今も継続している。ウナギが減ったのは誰の責任かというと、獲った漁業者も、売った小売りも、べた消費者も、非持続的な消費システムの一員である以上、責任はあるだろう。規制すべき立場にいた水産庁も、警鐘を鳴らすべき立場にいた我々専門家も、無責任の誹りを免れない。俺自身も、これまで何十年もウナギをべてきたのだから、他人事のように非難できる立場では無い。当事者として、自らの責任を認めた上で、未来につながる行動をとらないといけない。 ウナギの資源回復を誰が主導でやるべきだろうか。もちろん、皆が出来ることをやるべきである。 行政は、法整備をして、非持続的な漁獲を抑制すべきである 漁業者は、非持続的な漁獲を控えるべきである 小売りは、非持続的な漁業で獲られた魚を扱うべきでは無い 消費者が、非持続的な漁業で獲ら

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    urashimasan 2013/04/30
    "漁獲規制に対する漁業者の抵抗はひどかったらしい。…ではどうして、漁獲規制が導入できたかというと、国民世論が乱獲を許さなかったからだ。"
  • ウナギをどう看取るか? - 勝川俊雄公式サイト

    某生協から、「ウナギの消費について、俺の意見をききたい」という依頼があった。ウナギを取り扱うかどうかで、内部で議論をしたが、話がまとまらなかったので、俺の意見を参考にしたいというのだ。そのときに話した内容を簡単にまとめてみた。ウナギをべるかどうかは、なかなか難しい問題だ。こうすべきという正解があるわけではない。そのことを踏まえた上で、一つの意見として読んでもらえれば幸いだ。 ウナギ問題を考える出発点として、日のウナギ消費がどのような状態であったかを、把握する必要がある。ウナギについては、こちらのサイトが詳しいので、まず読んでほしい。このサイトに目を通したことを前提で、話を進める。 http://nationalgeographic.jp/nng/article/20120710/315508/ 我々のウナギ消費の歴史を振り返るとこんな感じ 60年台から、ニホンウナギの漁獲量は減少の一途

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    urashimasan 2013/04/26
     流通を制限することができればあるいは(ワシントン条約?)、とも思うが日本政府はそうしないだろう。/ 届かないとわかりつつ声をあげつづけるのはつらい。勝川さんが心を壊さないことを祈る。
  • ワシントン条約の勝者は中国とリビアで、敗者は日本と持続的漁業 - 勝川俊雄公式サイト

    前回の記事は予想以上の反響で驚いた。書いてみるものだとおもった。「不正漁獲の話しはちゃんと新聞に載っていた」という書き込みをいただいたのだが、俺も新聞は気をつけてみていたけれど、不正漁獲についてまともに書いた記事は見つからなかった。「隠した」という表現は言い過ぎかもしれないが、きちんと伝えていなかったとは思う。不正漁獲の蔓延が、ICCAT不信の根幹にある以上、不正漁獲の実態を知った上で、それにどう対処していくかを、考えないといけない。その判断材料になるレベルの報道があったなら、「ワシントン条約断固阻止」という世論一色にはならなかっただろう。 不正漁獲の背景 クロマグロ激減の要因は、2000年ぐらいに、日の商社が、地中海にもちこんだ、畜養である。畜養の手順は、だいたい、こんな感じ。 1)産卵場で待ちかまえて、産卵群を巻き網で一網打尽にする 2)網の中でマグロを生かしたまま曳航し、いけすに入

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    urashimasan 2013/04/26
     2010年 ”本気で、不正漁獲を押さえ込もうと思ったら、現在のICCATの限界に直面する。その限界を補うには、付属書IIが必要だった”
  • 日本のウナギ根絶作戦が、ついに最終段階 - 勝川俊雄公式サイト

    ジャワうなぎ、日へ 「世界最後の稚魚市場」から 東アジアでの激減背景に  (2013年04月20日) 東アジアでウナギ稚魚の不漁が続く中、ウナギ養殖のインダスト(熊県玉名市)が、「ジャワうなぎ」の日輸出を目指して奮闘している。西ジャワで養殖を始めて7年目。成果は実りつつあるが、日人の口に合うウナギの育成が今後の課題だ。 中川勝也社長はインドネシアを「世界で最後の稚魚市場」と表現する。同社によると、世界で確認されているウナギの仲間18種のうち、7種が生息するインドネシア近海がウナギ発祥の地だと考えられており、稚魚は豊富だという。 ウナギの漁獲量が激減する日での需要は大きい。日のコンビニや流通業者から「早く届けてほしい」との要望が日に日に強くなっているという。 http://www.jakartashimbun.com/free/detail/10643.html 1960年代から

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    urashimasan 2013/04/21
     これは未来からの収奪であり、少子化問題と同じ構図。未来人は現在の市場に参加できないから、市場原理では解決しない。/既に流通量はピーク時の1/3なので『食べ過ぎ』の実感も沸くまいが、反発したら解決するの?
  • 東シナ海 漁場 乱獲の歴史、中国の乱獲を一方的に非難するNHKクローズアップ現代 - 勝川俊雄 公式サイト

    昨日のクローズアップ現代(国境の海で魚が消える ~追跡 中国虎網漁船~)を録画で見ました。内容はこんな感じ。 豊かな資源を求めて、東シナ海に押し寄せる中国漁船。 漁場を追われ急速に衰退する日漁業。 漁船が担ってきた国境の監視機能も低下しています。 日は日中共同水域の資源管理を中国に呼びかけたが、中国から拒否されている。 漁業の衰退で中国漁船が国境の中に入りやすくなっている。 中国が虎網というむちゃくちゃな漁法で乱獲をしまくっているので、日の漁師さんたちが困っているというお話です。中国の虎網漁船を取り締まる水産庁の監視船の乗組員は、「我が国の水産資源を責任もって守る」と熱く語っていました。 NHKのサイトでクローズアップ現代の全文文字おこしがあります。見逃したかたは、こちらをどうぞ。 http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3329_al

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    urashimasan 2013/04/06
     ”実は、NHKはこのブログの記事に書かれた事実を全部知っていました。NHK長崎が俺のところに取材にきたので、こういった背景を説明した上で、西海区水研の報告書のコピーを渡してあります。知らなかったとは言わせな
  • 予定通り、北海道日本海側のスケトウダラ資源が減少し、漁業が消滅の危機 - 勝川俊雄公式サイト

    北海道海側のスケトウダラが激減しています スケトウダラは、北海道で重要な水産資源の一つであり、ニシンがほぼ消滅した現在は、スケトウダラに依存した漁村も多い。同じスケトウダラでも、産卵場や生育場所が異なる複数の群れが存在し、それを「系群」と呼びます。日周辺には、 太平洋系群 日海北部系群 根室海峡系群 オホーツク海南部系群 の4つのスケトウダラの系群があります。このうち日海北部系群の資源が極度に悪化しているのです。 資源量が減って、漁獲割合が上がる? 漁業資源の状態は、独立行政法人 水産総合研究センターによって、まとめられています。 http://abchan.job.affrc.go.jp/digests24/html/2410.html 1990年代後半から資源が直線的に減少し、底引き網、延縄ともに撤退が相次いでいます。1997年から、国によって漁獲枠が設定されて、漁業者がそれ

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    urashimasan 2013/03/29
     ”科学者が勧告したABC(生物学的許容漁獲量)0.77万トンのところを、水産庁が提案した漁獲枠は1.3万トンですよ。毎年、大勢の研究者が集まって、時間をかけて資源評価をしているのに、まるで無視。”
  • クロマグロに関する報道の内外格差の検証:クロマグロは増えていて、安くなるのか? - 勝川俊雄公式サイト

    太平洋クロマグロを管理する国際機関WCPFCのレポートのドラフトが公開されました。例によって、例のごとく、国内外で報道の方向が180度違います。 太平洋マグロ、規制継続なら20年で3・6倍に 読売新聞(2013年1月10日09時22分) http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130109-OYT1T00226.htm 日近海を含む太平洋産のクロマグロ(親魚)が、2030年までに最大で10年の3・6倍に増える可能性があるとの予測を、漁業管理機関「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)」の科学委員会が8日公表した。 日で消費されるクロマグロのうち、太平洋産は約7割を占めている。資源量の増加は、将来的な価格下落につながる可能性もあり、日にとっては朗報といえそうだ。 web魚拓 太平洋のクロマグロは2030年に3・6倍に 国際委員会が予測、現行水準

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    urashimasan 2013/01/24
     ”現在の産卵親魚量は、漁獲が無かった時代の3.6%まで減っている”
  • 内部被曝の影響は、トータルの被曝量(総ベクレル数)を基準に考えよう - 勝川俊雄公式サイト

    内部被曝の影響は実は良くわかっていない。100mSv以下の被曝では、発がん率の上昇などの影響が見えてこない。喫煙のような明らかなリスクと比べると低いレベルだと思われるが、「影響が無い」と断定はできない。未知な部分があるから、放射能は予防的に避けておくことが望ましい。ICRPが掲げるALARA原則というのがある。「合理的に達成できる限り低く保たなければならない。(As low As Reasonably Achievable)」。体に良いものではないので、避けておけば間違いないだろう。 個人の被曝リスクを考える上で重要なのが、トータルでの被曝量。基準値を超えた材をべたかどうかかよりも、トータルで何ベクレル摂取したかが重要。たとえば、500Bq/kgの材を10gべると5Bq。50Bq/kgの材を1kgべれば50Bqの内部被曝になる。前者よりも後者が影響が大きいのは自明だろう。ALA

  • 核実験時代と311後の魚の汚染を比較してみた - 勝川俊雄 公式サイト

    長いものには、巻かれません.「日には1960年代の核実験で大量の放射性物質がフォールアウトしている。そのときに皆健康だったのだから、福島の事故も心配いらない」という発言を3月には良く耳にしました。水産学会の勉強会でも、放射能の専門家は、そのように断言していました。ネット上でも、その手の言論のアーカイブを今でも見つけることができます。 福島第1原発事故で東京に降り注いだ放射性物質のセシウム137は、最大となった降雨の21~22日に、1960年代前半まで行われた大気圏内核実験で1年間に降った量の3倍近くに達したことが25日、分かった。http://www.sannichi.co.jp/kyodo/news2.php?genre=Science/Environment/Health&newsitemid=2011032501000755 Q.では、一般公衆の被曝線量も多いのではないですか?

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    urashimasan 2011/06/03
    千葉・神奈川で1桁Bq/Kgの137Csがあるのは問題ないような印象があったけど、核実験の時代よりも多かったとは驚き。
  • 水産物の放射能汚染から身を守るために、消費者が知っておくべきこと - 勝川俊雄 公式サイト

    IAEA のレポート http://www-pub.iaea.org/MTCD/publications/PDF/TRS422_web.pdf 物連鎖を通じた放射性セシウムの移動(捕者への時間遅れの汚染蓄積) チェルノブイリ事故で汚染されたキエフの貯水湖では、餌となる小型魚(上)のセシウムの値は事故の後すぐに上がったのですが、捕魚(下)のセシウムの値は翌年になって跳ね上がりました。物連鎖を通じて、上位捕者に時間遅れで放射性物質が伝わったのです。Chernobyl’s Legacy: Health, Environmental and Socio-Economic Impacts チェルノブイリの事故後で、日近海の表層海水の汚染のピークは1月後、スズキの汚染のピークは半年後、マダラの汚染のピークは9ヶ月後でした。(海生研ニュース No.95 p7より引用)。 福島周辺海域では、植