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ブックマーク / katukawa.com (34)

  • なぜ、巻き網やトロールは、魚が減っても漁獲が維持できるのか。そのメカニズムを解説 - 勝川俊雄公式サイト

    巻き網やトロールでは、資源が減っても魚をとり続けることが出来ます。一方、釣りや定置などは、資源が減ると漁獲量が減少し、毎年の漁獲量の変化が大きくなります。それはどういう理由なのかを説明します。 サバやタラなど、多くの魚は群れをつくって回遊します。群れの大きさや密度は資源状態にかかわらず一定ということが知られています。魚が半分になると群れの密度が半分になるのではなく、群れの数が半分になるのです。下の図で言うと右側ですね。 弱い魚が群れるのは、捕者に襲われたときに、群れの一部が補されているうちに、残りが逃げられるようにするためと考えられています。捕者だって、一度にべられる量には限界があるので、逃げられる確率が増します。産卵群の場合は、有効な精子と卵子の密度を維持するためにはそれなりの個体数が必要です。つまり、生物にとって最適な群れの大きさがあり、その群れの大きさが維持される傾向がありま

    なぜ、巻き網やトロールは、魚が減っても漁獲が維持できるのか。そのメカニズムを解説 - 勝川俊雄公式サイト
  • WCPFC(マグロの国際会議)への識者の声 - 勝川俊雄公式サイト

    今回のWCPFCでは、日の水産外交のこれまでのやり方がひっくり返されました。日の水産外交は大きな転機を迎えているといえます。そのことを指摘する識者のコメントを転載します。真田さんは、会議に実際に参加されたので、誰よりも一次情報をおもちです。そして、井田さんは長年この問題をフォローされている国内メディアでの第一人者です。 WCPFCオブザーバー 真田さん 【WCPFC所感】 中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)にオブザーバーとして出席しましたが、いろいろ感ずるところがありました。 まず、非常に驚いたのが、WCPFCで日側の提示する科学的見解にクレディビリティが問われる場面を少なからず見ました。近年日近海でカツオが獲れない現象が続いていることから、日はカツオの資源保護をWCPFCで訴えています。 しかし、WCPFCの下で行われる科学アセスメントでは、資源は悪化していないとされてい

    urashimasan
    urashimasan 2016/12/12
    ”日本側の提示する資源評価(特に太平洋クロマグロ)が余りに自国に都合の良いような手前勝手な解釈を行っている、と捉えられている”
  • 日本が漁獲上限を設定したから、サバが回復したのか? - 勝川俊雄公式サイト

    NHKのニュースのニュースでサバ漁業について取り上げられていました。 http://www3.nhk.or.jp/news/business_tokushu/2016_0831.html?utm_int=detail_contents_tokushu-business_008 サバやサンマについては、「日はちゃんと規制をしているのに、中国が悪い」という一方的な報道が多いのですが、NHKは日の過去の失敗についても触れています。 太平洋のサバをめぐっては、中国漁船の行動だけを批判するのはフェアではありません。実は日も過去に手痛い失敗をしています。 1970年代まで、太平洋の「マサバ」の資源量は、推計で300万トンから500万トンに上っていました。しかし、日の漁業者が取りすぎたことが原因となって資源量が減少し、2001年には一時、15万トンまで落ち込みました。枯渇寸前の危機的状況だったと

    日本が漁獲上限を設定したから、サバが回復したのか? - 勝川俊雄公式サイト
  • 日本のクロマグロ規制見送り提案が見送られたようです - 勝川俊雄公式サイト

    クロマグロの国際会議が終わったようですね。早くも記事がでてきたので、内容について解説します。 クロマグロ漁獲規制見送り 日案など通らず クロマグロの資源管理を議論する国際会議「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)」の小委員会が2日、閉幕した。日側の提案した漁獲規制措置に対して米国などが反発、採用は見送られ、来年以降に継続して検討する見通しになった。 http://www.nikkei.com/article/DGXLASDJ02H0J_S6A900C1EAF000/?dg=1 まずは、米国が提案している長期目標について解説します。 米国は2030年までに13万トンまで回復させるという長期目標を定めて、みんなで努力しようと提案をしています。これはごく普通の漁獲規制の考え方ですね。これに猛反発しているのが日です。 日は、長期的な目標水準を設定せずに、魚が減ったら、その分だけ管理目標

    日本のクロマグロ規制見送り提案が見送られたようです - 勝川俊雄公式サイト
    urashimasan
    urashimasan 2016/09/02
    ”前代未聞の低水準の加入が続いても、2年間はそのまま獲り続けようという」という日本の提案は、どう見ても漁獲規制を先延ばしにするための措置なのです”
  • やっぱり意味が無かったウナギの池入れ規制 - 勝川俊雄公式サイト

    二年前に書いた「あまり意味の無いウナギの池入れ上限」のアップデートです。 日が国として行っている規制は、シラスウナギの池入れ量の上限です。去年に引き続き、今年も枠を大幅に下回りました。実質的に取り放題、入れ放題となっており、規制の効果は皆無です。 シラスウナギの池入れ上限は、例外的に多くのシラスウナギが来遊した2014年の池入れ量から2割の削減した21.7トンです。過去5年(2010-2014)の平均が19.5トンであることを考えると、減少傾向にあるシラスウナギの漁獲に歯止めをかける効果は期待できないことがわかります。 水産庁は、がんばっても到達しない池入れ上限を形式的に設定して、業界の短期的利益を守りつつ、規制に取り組んでいるポーズをしています。資源管理では無く、「資源管理ごっこ」です。これではウナギ資源もウナギ文化も守ることが出来ません。 追記 この前、対馬に行ってきたんだけど、地

    やっぱり意味が無かったウナギの池入れ規制 - 勝川俊雄公式サイト
  • 水産庁の国会答弁を徹底検証(その2)親が減った原因は? - 勝川俊雄公式サイト

    今日は親魚が減った原因について検証します。水産庁は次のように答弁しました。 ○政府参考人(川一善君) 太平洋クロマグロの未成魚の発生につきましては、親魚の資源量にかかわらず、環境要因に左右されるところが非常に大きいと認識しております。 先ほど申し上げましたように、北太平洋まぐろ類国際科学委員会、ISCという科学者の方々の集まりの場では太平洋クロマグロの親魚資源が減少していることについては、漁獲のほとんどがゼロ歳から二歳までの未成魚が大半を占めております、近年、この漁獲が増大したこと、それから一方で、未成魚の発生が少ない年が頻発をし、その結果、親魚まで生き残る魚が少なかったことが主な原因であるというふうに科学委員会が分析をしております。 このように、ISC、科学委員会は日海の産卵場での漁獲が親魚資源の減少につながったということは言っておりませんで、ウェッジに記載のあるような、〇四年から始

    水産庁の国会答弁を徹底検証(その2)親が減った原因は? - 勝川俊雄公式サイト
    urashimasan
    urashimasan 2015/08/21
    ”漁獲率が大きく上がっているのは、日本海の産卵場巻網が漁獲している3-5歳のみです。「近年、未成魚への漁獲圧が増大したから親魚が減った」という水産庁の主張は、根底からおかしいのです”
  • 水産庁の国会答弁を徹底検証(その1) - 勝川俊雄公式サイト

    しばらくブログをお休みしている間にいろんなことがありました。 発端は、Wedgeの4月号にクロマグロに関する記事を執筆したことです。 http://wedge.ismedia.jp/articles/-/4896 これまでブログに書いてきたことをまとめたような記事で、「絶滅危惧種の太平洋クロマグロには、ちゃんと卵を産ませましょう」というごく当たり前の内容です。 5月21日の参議院農水委員会で、鳥取県の舞立議員が、このWedgeの記事に関する質問を行い、水産庁長官は次のように答弁しています。 ○政府参考人(川一善君) この記事につきましては、大中型巻き網漁業による成魚、産卵をする親の魚の漁獲の一部を殊更にクローズアップをして、これが太平洋クロマグロ資源全体を危機に陥れるとの主張がなされているわけでございますけれども、私どもとしては、率直に言って公平性や科学的根拠を欠くものではないかというふ

    水産庁の国会答弁を徹底検証(その1) - 勝川俊雄公式サイト
  • カツオ漁業における中国脅威論を分析する - 勝川俊雄公式サイト

    小型化が進行しているカツオの話題です。「去年も記録的な不漁だったが、今年はそれよりも悪い…」ということで、一釣りの漁業者は危機感を強めています。例によって、産経新聞の中国批判が飛び出しました。 カツオ一釣りピンチ 中国巻き網漁船が根こそぎ、中大型魚が激減 2010.7.17 20:52 日文化を支えるカツオの一釣りが危機にさらされている。中国の巻き網漁船が、黒潮に乗って日近海に北上する前にインドネシア沖の太平洋中西部で、「ツナ缶」用に稚魚や小型カツオを根こそぎ乱獲。一釣りで捕獲し、かつお節やカツオのたたきに使われる中大型魚が激減しているためだ。中国が年内に、1千トン超の最新鋭船を新たに12隻導入することも判明。漁業関係者の間では、早急な漁獲規制を求める声が強まっている。 「中国の巻き網漁船の乱獲がこれ以上進むと、日近海ではカツオが取れなくなる」 で、中国はどれだけ獲ってい

    urashimasan
    urashimasan 2015/05/28
     2010年
  • 大平洋クロマグロについて、みんなに知っておいてほしいこと - 勝川俊雄公式サイト

    2014年11月17日に、国際自然保護連合がレッドリストを改訂して、新たに太平洋クロマグロ、アメリカウナギ、カラスフグ を絶滅危惧種として指定しました。レッドリストは関係諸国に保全の必要性を示すのが目的であり、掲載されたからといって、ただちに強制的な規制がかかるわけではありません。関係諸国が連携して、保全措置を執ることが強くもとめられています。IUCNのプレスリリースでは、アジアの品需要がこれらの魚種の減少を引き起こしたと指摘しています。これらの魚種の大半を消費する日には、世界から厳しい目が向けられています。 1950年代には、4万トンあったクロマグロの漁獲量は、現在は1万5千トンまで落ち込んでいます。国別に見ると、最も漁獲が多いのが日で、その次にメキシコです。台湾韓国アメリカ合衆国も漁獲をしているのですが、その量は比較的少ないです。日が「韓国のせいでクロマグロが減った」と主張

    大平洋クロマグロについて、みんなに知っておいてほしいこと - 勝川俊雄公式サイト
  • あまり意味の無いウナギの池入れ上限 - 勝川俊雄公式サイト

    平成26年9月16日(火曜日)から17日(水曜日)まで、東京都内において、「ウナギの国際的資源保護・管理に係る第7回非公式協議」が開催され、日中国韓国及びチャイニーズ・タイペイの4者間で、ウナギ資源の管理の枠組み設立及び養鰻生産量の制限等を内容とした共同声明を発出しました。 日中国韓国及びチャイニーズ・タイペイの4者間で、以下を内容とする共同声明を発出することで一致しました。 (1)各国・地域はニホンウナギの池入れ量を直近の数量から20%削減し、異種ウナギについては近年(直近3カ年)の水準より増やさないための全ての可能な措置をとる。 (2)各国・地域は保存管理措置の効果的な実施を確保するため、各1つの養鰻管理団体を設立する。それぞれの養鰻管理団体が集まり、国際的な養鰻管理組織を設立する。 (3)各国・地域は、法的拘束力のある枠組みの設立の可能性について検討する。 http://

    あまり意味の無いウナギの池入れ上限 - 勝川俊雄公式サイト
    urashimasan
    urashimasan 2014/09/18
    ”がんばっても獲りきれない漁獲枠を設定して、資源管理をやっているふりをするのは、日本のお家芸です。実効性の無い規制しか合意できないのであれば、ワシントン条約で厳しく規制をしてもらった方が、ウナギ資源の
  • WCPFCで合意をしたクロマグロの規制について - 勝川俊雄公式サイト

    先ほど終了したWCPFC北小委員会に関する情報を整理しました。 クロマグロ資源の概要 漁獲が無かった時代の4%という危機的な低水準→回復措置を獲る必要がある。 科学委員の資源評価レポートの概要 http://isc.ac.affrc.go.jp/pdf/Stock_assessment/PBF_2014_Exec_Summary_4-28-2014_gtd.pdf その和訳  http://katukawa.com/?p=5746 漁業の概要 未成魚・成魚ともに日が漁獲の大半をしめる。次いで、メキシコと韓国の未成魚の漁獲が多い。乱獲行為が継続し、資源は乱獲状態に陥っている。 乱獲行為 → 非持続的な漁獲圧をかけている → 漁獲圧削減が必要 乱獲状態 → 非持続的な漁獲で、資源がすでに減少している → 資源回復が必要 クロマグロ漁業の3つの問題点 ① 卵を産む前に95%以上の個体をとってし

    urashimasan
    urashimasan 2014/09/05
    "資源量はすでに2002-2004年の水準の半分に減っているので、漁獲量を当時の水準から半減したところで、漁獲率としては2002-2004年レベルと大差が無いのである。この漁獲枠だと資源の回復に結びつかず"
  • 日本が提案しているクロマグロの漁獲規制について解説 - 勝川俊雄公式サイト

    クロマグロの漁獲は、次の3つの問題点があることを先の記事で書いた。 ① 卵を産む前に95%以上の個体をとってしまう ② 産卵場で待ち伏せして、卵を産みに来た親を一網打尽 ③ 非持続的な漁業を規制するルールが存在しない 9月1日から4日まで、福岡でクロマグロの資源管理について議論をするための国際会議が開かれている(現在、その会議を傍聴しながら、ブログを書いている)。ここで日本代表が提案したクロマグロの規制について検討してみよう。 日の提案はここにある。 http://www.wcpfc.int/node/19348 日提案の概要 Management measures 2. CCMs shall take measures necessary to ensure that: (1) Total fishing effort by their vessel fishing for Paci

    日本が提案しているクロマグロの漁獲規制について解説 - 勝川俊雄公式サイト
    urashimasan
    urashimasan 2014/09/02
    "日本政府提案は、方向性としては正しいので、全面的に応援したいと思う。現状では、成魚の漁獲規制の不足しており、問題点②は解決できない。また、国内で未成魚削減のための方策などには様々な問題がある。"
  • クロマグロ漁業の3つの問題点 - 勝川俊雄公式サイト

    現在、国内外で関心が高まっている太平洋クロマグロの現状について整理してみよう。 このエントリで用いる図はすべて、WCPFCのISCレポートからの引用である。 http://isc.ac.affrc.go.jp/pdf/2014_Intercessional/Annex4_Pacific%20Bluefin%20Assmt%20Report%202014-%20June1-Final-Posting.pdfが主人公 太平洋クロマグロは、長距離の回遊をする高度回遊性魚類の代表である。しかし、その産卵場および主な生息域は日のEEZにあり、漁獲および消費の大半は日人によるものである。「ほぼ日の水産資源」といってもよいだろう。 日の次に漁獲が多いのはメキシコ。東太平洋に餌を求めて回遊した10~20kgぐらいの未成魚を捕まえて、餌を与えて太らせて、日に出荷している。それ以外の国、韓国

    クロマグロ漁業の3つの問題点 - 勝川俊雄公式サイト
  • 検討会という茶番 - 勝川俊雄公式サイト

    先日、水産庁の資源管理あり方検討会が開かれた。この手の検討会が開かれるのは実に6年ぶりである。6年前の検討会は、資源管理反対派を集めて、資源管理をしない言い訳を並べただけだった。今回も、俺以外はこれまでと同じメンバー。水産庁OBが大勢をしめる委員たちは、「日の漁業管理はすばらしい」と自画自賛しているだけ。今年の3月から6月まで、密度が低い会議をたった6回しただけで、国の漁業政策の方針を決めようというのだから、乱暴な話である。 水産庁にとって、この手の会議は、財務省と政治家に予算をねだるための儀式である。議論の内容ではなく、会議をやったという既成事実が重要なのだ。会議の着地点(とりまとめ)は、あらかじめ決められている出来レースだ。その証拠に、俺以外の委員は、「日の漁業は現状でうまくいっている」と言い張って、個別漁獲枠方式(IQ方式)の問題点を並べて反対していたのだけど、会議のとりまとめは

    urashimasan
    urashimasan 2014/08/24
    "「IQの実証試験をやったけれど、効果がないからやめます」というために実証試験をしているようなものである"
  • 水産業の苦境を打開するのに必要なのは、補助金では無く、資源管理 - 勝川俊雄公式サイト

    産経ビジネスに漁業の復興関連の記事があった。この記事から、日の水産業が元気が無い理由が透けて見えるような気がしたので、整理してみようと思う。まずは記事に目を通して欲しい。 三陸の水産業者、苦境打開へ 世界に活路もアピール不足 三陸地方の水産業者が、海外展開に活路を見いだしている。東日大震災から3年が過ぎても続く苦境を打開しようと、国や自治体も支援に乗り出した。だが、宮城県気仙沼市が5月に実施した欧州視察事業からは、国を挙げてのPR力不足や、衛生基準などを満たすハードルの高さが見えてきた Sankei Biz 2014.6.21 07:10 「PR力不足」、「衛生基準の不備」、「人手不足」という問題があるのは確かなんだけど、「これらの他国では当たり前のようにできていることが、なぜ日ではできないか」という根的な問題を考えないといけない。これらの構造的な問題は、被災地だけのものでもないし

    urashimasan
    urashimasan 2014/06/22
     仰るとおりなのだろうけど、どうやったら日本も資源管理できるようになるかと考えたら、休漁に補助金を出すぐらいしかないのではないかと。
  • ウナギを食べ続けたいなら、ワシントン条約を歓迎すべきである - 勝川俊雄公式サイト

    ニホンウナギがIUCNの絶滅危惧種に指定されて、ワシントン条約で規制される可能性が高まってきた。日のメディアは、「ウナギの値段が高くなる」と危機感を煽っているのだが、当にそうだろうか。そもそもウナギが高くなったのは、十分な規制が無いまま漁獲が拡大し、日人がべ尽くしてしまったからである。つまり、無規制の結果なのだ。無規制の状態が今後も続けば、漁獲は更に減少し、値段は高くなるだろう。もし、ウナギ資源・文化の存続には、何らかの規制が必要なのは明白である。 ワシントン条約でウナギがべられなくなるのか? ワシントン条約には、付属書I、II、IIIがある。 付属書Iは当に危機的な状況にある種(ジャイアントパンダやゴリラなど)を守るための枠組みで、学術目的以外の輸出入は原則禁止。ということで、ここにカテゴライズされると、輸入ウナギはべられなくなるだろう。しかし、ニホンウナギがいきなり付属

    urashimasan
    urashimasan 2014/06/12
    "付属書IIの実効性は、漁獲国の政府が十分な規制をするかどうかにかかっている" 結局政府は何もできずに付属書Iに載るまで悪化し、海外で育った親魚が産んだシラスに依存するようになるような気がする。
  • 津波 復興: 奥尻の失敗を、三陸でも繰り返すのか? - 勝川俊雄 公式サイト

    1993年の北海道南西沖地震とそれに続く津波によって、奥尻島は甚大な被害を受けた。東日大震災をきっかけに、奥尻島の復興について触れられる機会が増えてきた。奥尻の復興については、意見が分かれている。農林中金(農協系金融機関)や朝日新聞は、復興をポジティブにとらえているが、北海道新聞をはじめとする地方紙は、地域の衰退を問題視している。 農林中金 http://www.nochuri.co.jp/report/pdf/n1108jo1.pdf 水産業の復興が順調に進んだ要因として,①漁協による漁業者への対応,②漁船の共同利用,について述べる。 朝日新聞 http://www.asahi.com/edu/news/HOK201202120002.html 防災教育旅行を積極受け入れ 津波から復興果たした奥尻町 問題点を指摘しているのは、岩手日報、河北新報、北海道新聞などの地方紙。 岩手日報 奥尻

  • 6年ぶりに「資源管理のあり方検討会」が開催されております。でもって、俺が委員です。 - 勝川俊雄公式サイト

    前回の記事で紹介した会議は平成20年なので6年も前の話です。「資源管理のあり方検討会」というのが、今年の3月から開かれています。何の風の吹き回しか解らないのですが、水産庁から委員になって欲しいという依頼がありました。「資源管理をやることを前提に、前向きに議論をしたい」という話だったので、委員を引き受けました。 資源管理のあり方検討会 概要 水産資源の適切な保存管理は、国民に対する水産物の安定供給の確保や水産業の健全な発展の基盤となる極めて重要なものです。 しかし、かつて1千万トンを超える水準にあった我が国の漁業生産は、現在は500万トンを下回る水準となっています。こうした状況の中で、水産日の復活を果たすためには、世界三大漁場と言われる恵まれた漁場環境を活かしながら、水産資源の適切な管理を通じて、水産資源の回復と漁業生産量の維持増大を実現することが喫緊の課題となっています。 このため、現在

    6年ぶりに「資源管理のあり方検討会」が開催されております。でもって、俺が委員です。 - 勝川俊雄公式サイト
    urashimasan
    urashimasan 2014/04/13
     ”会議の最初に確認をしたのですが、水産庁サイドは「日本の水産資源は総じて良好」という認識だそうです。他の委員も、それに追従。”
  • 日本は、なぜ乱獲を放置し続けるのか?水産庁の言い分を検証 - 勝川俊雄公式サイト

    当ブログでは、漁獲規制の不備によって、日の漁業が衰退していることを繰り返し指摘してきた。多くの読者から、「なんで水産庁は規制をしないのか?」という疑問の声が上がっている。その疑問に対する水産庁の言い分を紹介しよう。 水産庁が資源管理をしない理由をまとめた背景 2007年に安倍内閣によって設置された内閣府の規制改革会議では、経済重視の観点から様々な規制が議論された。水産分野においては、無駄な規制を取り除くというよりも、漁業が産業として成り立つために必要な漁獲規制を要請する内容であった。 規制改革推進のための第3次答申-規制の集中改革プログラム-(平成20年7月2日) 詳しい内容は上のPDFのP60から先に書いてある。 水産業分野についても、農業・林業分野と同様、就業者数の減少や高齢化が進んでいる状況にあるが、それ以前に、水産資源の状態が極めて悪化しており、それ故、生産、加工、流通、販売、消

  • 世界銀行レポート FISH TO 2030:世界の漁業は成長し、日本漁業のみが縮小する - 勝川俊雄公式サイト

    Home > 世界の漁業 | 成長する世界の漁業 | 漁業国益論 > 世界銀行レポート FISH TO 2030:世界の漁業は成長し、日漁業のみが縮小する Newer Older 世界銀行が、「2030年までの漁業と養殖業の見通し」についてのレポートを公開しました(プレスリリース)。この102ページからなるレポートは、IMPACTというモデルを使って、2030年までの世界の天然魚・養殖魚の生産・消費・貿易を予測したものです。世界の漁業と日の漁業の未来を考える上でなかなかおもしろい資料なので、キーとなる図表を引用しながら、読み解いていきます。このエントリの図は、ことわりがないかぎり、このレポートからの引用です。 PDFをこちらからダウンロードできます。 世界と日の漁業生産の動向(過去から現在まで) 下のFIGURE 1.2は、1984-2009年の世界の用水産物の生産量を示した図です

    世界銀行レポート FISH TO 2030:世界の漁業は成長し、日本漁業のみが縮小する - 勝川俊雄公式サイト