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ブックマーク / nagaichi.hatenablog.com (4)

  • 李巌実在論が盛り返しているらしい - 枕流亭ブログ

    李巌(李信)は、明末の農民叛乱の頃の人物。紅娘子の旦那と言ったほうがピンと来る人が多いかもしれない。河南省杞県の人で、郷試に及第して挙人となる。ときに明末の飢饉で窮民の救恤のために自家の糧を放出し、県令に憎まれて獄に下された。紅娘子が県令を殺して李巌を救出。李自成に帰順してその参謀となり、「闖王(李自成)を迎えれば、税金を取らないぞ」の歌を作った。1644年に牛金星の讒言に遭い、李自成に殺されている。 李巌は『明史』流賊伝や『綏寇紀略』『明季北略』といった複数の史書に登場するため、ふつう実在するんだろと思うところ。 ところが顧誠『李巌質疑』『再談李巌問題』や欒星『李巌之謎』といった20世紀の実証史学によって、紅娘子が殺したとされる杞県県令って殺されていないよとか、明末の挙人に李信(李巌)なんて存在しないよとか、李巌物語の細部が否定されてしまい、挙げ句のはてには李巌とは李自成から派生した分

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  • 曹操の墓を専門家が解説したよ(その三) - 枕流亭ブログ

    その二のつづきです。 郝性氏の発表です。曹操の墓からは「魏武王」の石牌をはじめ60数点の石碑が出土しています。そこにみえる副葬品から曹操の実像に迫っていく内容です。 曹操高陵出土文物の研究―安陽高陵出土石牌刻銘にみる曹操のすがた― 郝性(河南省文物考古研究所) 曹操は、中国歴史上で著名な政治家・軍事家・文学家である。唐代以前は栄誉を受けていたが、宋代以後は誹謗を受けて、奸悪でずるい小人の典型人物に貶められ、悪しざまに言われるようになった。これは、曹操の複雑で豊富な人生経歴や、多様な性格・流儀、そして政治・軍事・文学上の功績から、人々の高い関心を集め絶えず評論されたからであろう。ただし『三国演義』での悪人ぶりが知れ渡っており、史書『三国志』の著者陳寿の記した“非常之人、超世人傑”という評価は継承されなかった。真実の曹操の姿は、考古発掘で得た実物資料だけが語ることのできるものである。たと

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  • Nスペ「中国文明の謎」第2集感想 - 枕流亭ブログ

    11日放送のNHKスペシャル「中国文明の謎 第2集 漢字誕生 王朝交代の秘密」を視聴しました。わりと近年の発見がいくつか取りあげられていたので、見所はありましたね。以下は散漫なコメントですが。 ▼Youtube http://www.youtube.com/watch?v=g9FzXAsqXhM で、やや長目の公式のPR動画が見られます。 ▼冒頭 「どうして多様な文化をひとつにまとめることができたのか?」という冒頭の問いですが、「中華民族多元一体論ですね、分かります」と茶化したくなったりもします。「漢字」という回答はストーリーとして用意されていて、他の視点は取りあげられないことには注意です。 ▼望京楼遺跡 http://baike.baidu.com/view/5072399.htm 「夏」代末期の城跡と殷代初期の城跡が見つかってるところです。殺されたと見られる人々が番組の言うように夏の人

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  • Nスペ「中国文明の謎」第1集感想 - 枕流亭ブログ

    14日放送のNHKスペシャル「中国文明の謎 第1集 中華の源流 幻の王朝を追う」を録画でようやく見たので、感想めいたことを書いておきます。 http://www.nhk.or.jp/special/china-civilization/index.html ツッコミどころが多かった放送ですが、ことに中井貴一の芝居くささは、もう少しどうにかならなかったんですかね……(そこかよ!)。さて、気を取り直して題へ行きましょう。 1.二里頭遺跡=夏王朝の都説 亭主は河南省偃師市出土の二里頭遺跡を夏王朝の都とみなすには慎重派なのですが、そのへん多弁を労するのは面倒なので、いきなり投げときます。 図/竹内康浩『世界史リブレット95 中国王朝の起源を探る』(山川出版社)P40-41 図/竹内康浩『世界史リブレット95 中国王朝の起源を探る』(山川出版社)P42 二里頭遺跡は紀元前1600年前後のきわめて重

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