はじめに結論から書いておこう。「国家が暴力を独占する」の意味は、国家が自らの暴力の行使に対してのみ、正統性を付与するということである。国家というのは、征服によるものであれ、共和主義的な統合によるものであれ、その集団がある領域内を実効支配した時点で、定義上、その領域内には少なくとも国家に匹敵しうるような暴力を行使可能な集団は存在していないはずである。だが、国家はなお支配のために「暴力を独占」する。それは、自前の暴力組織にのみ正統性を与えることによってであって、そうやって正統性を与えられた暴力組織を「軍隊」や「警察」と呼ぶ。ウェーバーによればその正統性の源泉は、近代国家においては「合法性」である。その正統性(=合法性)に基づいてはじめて、政府は国家内の自律的な暴力集団を規制したり弾圧することができるのである。 軍隊や警察は、人を殺しうる力を持っている。たとえ侵略軍から「国家を防衛」するためであ
米政府が在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)の大幅な増額を要求する方針を固めたことが21日分かった。複数の政府筋が明らかにした。中国の東シナ海での活動の活発化に加え、沖縄・尖閣諸島(中国名・釣魚島)沖で起きた中国漁船衝突事件での中国の強硬姿勢を受け、米側は思いやり予算を「対中戦略経費」と位置づけ、日本の応分の負担を迫る構えだ。 菅直人首相は22日午後に訪米し、23日(日本時間24日午前)にニューヨークでオバマ米大統領と首脳会談を予定。前原誠司外相も同日クリントン米国務長官と会談する。いずれの会談でも米側は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)移設問題で、名護市辺野古(へのこ)へ移設する日米合意の早期履行を強く迫るとみられる。 会談で思いやり予算には直接触れない公算が大きいが、担当者のグレグソン米国防次官補(アジア・太平洋安全保障担当)が28日に来日し、思いやり予算の大幅増
新聞の電話取材で、またまた米軍基地のことを訊かれる。 グアムへの米軍基地の移転コストを日本政府が肩代わりしたり、「共同開発」名目で米軍の支出を予算的に「思いやったり」することについてどう思うかというお訊ねである。 しかたないんじゃないの、とお答えする。 「厭です」といって払わずに済むものなら、とっくにそうしているはずである。 「厭です」と言えない事情があるから、泣く泣く「みかじめ料」を出しているのである。 もちろん近代国家同士のあいだの話であるから、別に米軍が日本にドスをつきつけて「払わんと痛い目にあわせるど、こら」と凄んでいるわけではない。 「払わないと、そちらさまがとっても『たいへんな目』に遭われるのではないでしょうか。いや、われわれはまあよそさまのことですから、どうだっていいと言えばどうだっていいんですけど、まあそちらさまとも先代からの長いお付き合いですから、老婆心ながら・・・」と言
共同通信の取材。参院選についての見通しを訊かれる。 月曜にAERAのみなさんともその話をしたばかりである。 民主党は議席を減らすが、「大敗」というほどではないだろう。自民党はさらに議席を減らし、谷垣総裁の責任問題に発展し、党の分裂が進む。公明党も政権与党という条件がなくなったので議席減。「みんなの党」に多少議席をふやす可能性があるが、投票率が低いだろうから、「風が吹く」というような現象には達しないだろう。 というあまりぱっとしない見通しを語る。 見通しがぱっとしない理由は民主党政権が「期待したほどではなかった」という思いはあるが、「じゃあ、何を『期待』していたんだ?」と訊き返されると、有権者も政治家もだれもが明確な中長期的構想を語れないからである。 民主党だって「やろう」としたのだが、うまくできなかったのである。 それを民主党の政治家たちがとりわけ無能であったと見るか、「やれる」と思って取
photo by joka2000 アメリカ空軍が軍用のスーパーコンピューターを作るためにPS3を2200台発注することが明らかになりました。 2008年3月に研究目的で300台のPS3を調達することを決定していたアメリカ空軍ですが、PS3に搭載されているマルチコアCPU「Cellプロセッサ」を活用することで、本格的に軍用のシステムとして利用することを検討しているようです。 詳細は以下から。 Air Force To Expand PlayStation-Based Supercomputer -- Supercomputing -- InformationWeek この記事によると、アメリカ空軍が2200台のPS3を発注する予定であることが連邦政府の調達ウェブサイトによって明らかになったそうです。 アメリカ空軍は現在、複数のレーダーの画像を組み合わせてさらに高い解像度の画像を合成する技術
新たに書かれたみたいなので、急遽書くことにした。 >はてなブックマーク - なぜ日本に戦車が必要か?part2 日本の地形と戦車 - リアリズムと防衛を学ぶ この前の続きです。 コレ>グー・チョキ・パー国防論 きっと何か画期的な説明が付けられるのではないかと思って期待してみたが、全然そんなことはなかった。何とか板、みたいなのにある「まとめ」的なものの域を出ていないのではないかな、とは思ったよ、見たことないけど。 一体何を解説しているかというと、端的に言えば「戦車は歩兵に勝てる」みたいなもんだな。要するに、グーはチョキに勝てる、という解説だけ。 そりゃあ、生身の歩兵よりは戦車の方が頑丈なんじゃないか? 一切役に立たない、なんてことは言ってないことが多いんじゃないかと思うけど。 いくつかの代表的意見について考えてみるよ。 ①日本が戦車を配備しているだけで相手側の侵攻コストを上げる その効果がど
ペンタゴン、戦場の死体を燃料にする軍用ロボットの開発に着手へ 2009年07月15日 16:00 photo:Robotic Technology Inc. ペンタゴンが恐ろしいロボットの開発に乗り出しました。ペンタゴンが最近契約したメリーランドのロボットテクノロジー社。この会社は、発見した有機物を体内に取り入れて燃料にするロボットの開発に取り組んでいます。 そのロボットの名前は『EATR』。『EATR』は有機物から環境エネルギー抽出し、燃料として摂取することができると会社のウェブサイトには書かれています。環境エネルギーといえばバイオエタノールが思い浮かびますが、『EATR』が“食べる”ものはトウモロコシやさとうきびだけではありません。 草や木などの植物はもちろん、古い家具、そして動物の死体さえもエネルギーとして取り入れることができます。戦場で豊富に溢れている有機物のエネルギー源
前の記事 日常生活のありふれたデータを視覚化してくれる『Daytum』 膨らますと快適な仮設住宅に:高さ1mのキット『ライフキューブ』 次の記事 複雑な状況を「物語」として理解する:DARPAがAIシステムを開発へ 2009年1月20日 Noah Shachtman 単調な低い連続音、情報提供者からの情報、ニュース報道、入手した携帯電話の会話……戦場にいる指揮官はしばしば、非常に多くの情報を手に入れるが、これらの情報から意味を得るのは難しい。 こうしたことから、米国防総省の奇妙な研究部門である国防高等研究計画庁(DARPA)は、こうしたすべてのデータを、「人が理解するのにもっと適したかたち」――具体的に言うと、物語――に変えようと試みている。 この物語の作者は、こうしたすべての情報をまとめて、隠れた意味を探り出し、分かりやすい物語にすることができるという、一連の知的なアルゴリズムだ。 DA
「ネコの脳を模倣する」DARPAの計画にIBMが参加 2008年11月11日 サイエンス・テクノロジー コメント: トラックバック (0) Noah Shachtman 「やめてー、ぼくの脳が盗まれる」 「機能、大きさ、消費電力」においてネコの脳を模倣した電子装置を作ろうとする米国防総省の取り組みに、新たに米IBM社が加わることになった。 国防総省の奇妙な研究部門である国防高等研究計画庁(DARPA)は、「インテリジェント・マシンが役に立つものになるには、生体のシステムと競い合わなければならない」と、プレゼンテーションで述べている(PPTファイル)。しかし、「今日のインテリジェント・マシンは、生体のシステムと比較すると、複雑な環境における効率性が100万〜10億倍劣っている」という。 DARPAでは、このギャップを埋めるための取り組みへの着手を、IBM社に487万9333ドルで発注した(8
米国の無人飛行機攻撃が激化(1):個人をピンポイント攻撃する動画も 2008年10月28日 国際情勢 コメント: トラックバック (0) Noah Shachtman Photo credit: USAF 米軍は長年の間、敵を排除するのに攻撃用の無人航空機(UAV)を使用してきた。これまでは通常、少人数のグループや個人を標的にしていたが、26日(現地時間)の空爆は違った。 報道によると、米軍の無人機がこの日、パキスタンの武装勢力の拠点に空爆を行ない、20人が死亡したという。無人機による空爆としては、これまでで最も多くの死者を出した部類に入るだろう。 パキスタンを拠点とするゲリラは、アフガニスタン駐留米軍にとって最大の脅威となっている。このような武装勢力に米軍司令部が反撃を試みる際、好んで使う兵器となってきているのが、無人機『Predator』と『Reaper』だ。 これらのUAVを使えば、
米国の無人飛行機攻撃が激化(2):鎮圧に効率的な「鳥瞰図」 2008年10月28日 サイエンス・テクノロジー コメント: トラックバック (0) Noah Shachtman (1)から続く 画像は別の英文記事より 以下に掲載した動画レポートは米CBS『60 Minutes』によるもので、米軍に対して少しばかり翼賛的な報道であり、信頼に欠けるきらいはある。 とはいえ、サドルシティー[イラクの首都バグダッドの東部にあり、シーア派の反米指導者ムクタダ・サドル師の拠点となっている地区]において、無人航空機(UAV)に大きく依存した攻撃が行なわれていることを取り上げたこの動画は、米軍のUAVによる戦術がいかに進化したかを示している。 過激派への攻撃に使われているのは、2種類のUAV、つまり小型の偵察機『Shadow』と、ミサイルを搭載した『Predator』(プレデター)だ。遠隔操作されるこれらの
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20081027-OYT1T00304.htm ↑YOMIURI ONLINE http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/081027/mds0810270830003-n1.htm ↑産経新聞 いましがたテレビのニュースでやったので知ったのだが、26日朝5時頃、イラク駐留のアメリカ軍ヘリが国境を越えてシリア領内に進入し、住民を銃で殺傷したらしい。現在シリア政府が非難声明を出している。 何が原因でこういうことになったのかはまだわからないが、米軍が事前通告なしに他国の領土内に進入し、民間人複数を射殺したことはどうやら事実である。どういう原因があったにせよ、これは侵略であり、殺人をアメリカ正規軍が行ったと言うことになる。 借金で首が回らず自暴自棄になり、路上で刃物を振り回して他人を殺傷す
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