包装餅で売り上げトップの「サトウの切り餅」に入れられた切り込みが特許権を侵害しているとして、越後製菓(新潟県長岡市)がサトウ食品工業(新潟市)を相手に、製造差し止めと14億8500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、東京地裁であった。大鷹一郎裁判長は特許で保護された発明とは一致しないと判断し、請求を棄却した。 越後製菓は2002年、切り餅の側面に入れる切り込みを特許出願。焼けてもきれいに膨らみ、内部が噴き出ない技術として08年に登録され、09年にサトウ食品工業を提訴した。 大鷹裁判長は、越後製菓が出願当初、側面のみに切り込みを入れる意義を強調していたと指摘。サトウ食品工業の商品は上下面にも十字の切り込みがあることから、特許権を侵害しないと判断した。 サトウ食品工業側は「出願前に側面の切り込みがある餅を販売した実績がある。特許自体が無効だ」と主張したが、大鷹裁判長は特許の有効性に