「物価安定を回復できないことがより大きな失敗だ」――ジェローム・パウエル氏は、6月22日に米上院銀行委員会で行われた議会証言で、利上げ行き過ぎのリスクと比較し、こう強調した。 【写真】試される米国FRB…積極的な「金融引き締め」は景気後退への扉を開くのか パウエル氏と言えば、トランプ前大統領の指名を受け2018年2月に米連邦準備制度理事会(FRB)の議長に就任した。しかし、元をたどればオバマ元大統領がブッシュ(父)政権で財務次官などを歴任した同氏を理事に指名し、2012年5月にFRB入りした。 そのパウエル氏は、2013年5月に当時のFRB議長だったバーナンキ氏が資産買入縮小に言及する以前、同年1月29~30日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で「年末までに」テーパリング(量的緩和の縮小)開始を主張していた。当初、彼はタカ派だったことが分かる。 しかし、そうしたスタンスはFRB理事とし