がん細胞の弱点が分かったかもしれない。マウスでの研究で、転移するがん細胞は脂肪をエネルギー源として利用している可能性が示されたのだ。 脂肪細胞(写真)は、がんが全身に転移する仕組みに重要な役割を担っている可能性がある。 Credit: Steve Gschmeissner/SPL/Getty がん細胞が、発生した部位から全身に広がる過程は転移と呼ばれ、がんによる死亡の主な原因である。マウスでの研究から、がんの転移を担う細胞が、浸潤を行う際のエネルギー源として脂肪に依存している可能性が報告された。がん細胞の致命的な弱点を発見したのかもしれない。 非がん細胞は、属する組織から離れると自己破壊が起こるようプログラムされていることが多い。がん細胞にとっても、存在している場所を離れて血流に入り、血流中を移動し、体内の全く異なる場所に定着することは、困難と危険を伴う行為である。研究者たちは長い間、転移