【ワシントン=佐々木類】米政府が台湾への新型F16戦闘機の売却を断念し、すでに配備された初期量産型F16の電子機器の改良で対応する方針を固めたことが、米台関係筋の話で分かった。バイデン米副大統領が今月中旬の訪中で非公式に伝える見通し。米政府には、台湾へのF16売却に反対する中国と、台湾の防衛力強化を主張する米議会双方に配慮した現実策を採らざるを得ないとの判断があったようだ。 台湾は2006年から新型F16C/D66機の売却を求めてきたが、米政府は今回、売却の代わりに配備済みのF16A/B145機の電子機器を改良することで中国に理解を求める方針。 米政府がF16の改良に傾いた背景には、改良型でも中台海峡のパワーバランスへの影響力は、新型F16と遜色ないとの軍事上の判断がある。また、新型の売却を断念することで中国の批判をかわし、10年1月に台湾への武器輸出の方針を決めて軍事交流が中断したような