(福島 香織:ジャーナリスト) ローンを組んだり退職金をつぎ込んだりして購入した不動産が、ある日突然、違法建築なので撤去します、出ていきなさい、と通知されたらどうだろう? そんなことあり得ない、と不動産所有者の権利が比較的強い日本人なら思うが、これが今、北京でまさに起きている現実だ。 北京郊外で起きた別荘所有者たちのデモ騒ぎは、よくよく考えてみると、中国経済の暗雲到来を示す不気味なシグナルではないか。 紙切れ1枚で「強制排除」 まず米国のラジオ放送局、ラジオ・フリー・アジア(RFA)の報道をもとに事件の概要から説明したい。 現場は北京市郊外の、北京市 昌平区 崔村鎮 香堂村だ。この村は1999年以来の再開発で約3800戸の別荘や四合院(北京の伝統建築様式の住宅)が建設され、2003年の分譲会で都市部の小金持ちらが購入していた。 10月18日、この村の鎮政府(「鎮」は町に相当)周辺にこの地域
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