防衛省は10月から、自衛官の採用年齢を28年ぶりに引き上げた。 驚かされるのは、自衛隊を辞めた後などに予備役として登録する「予備自衛官」の採用年齢(退職時に士長以下)を37歳未満から55歳未満へ、また第一線部隊と同じ任務に就く、同じく予備役の「即応予備自衛官」の採用年齢(同)を32歳未満から50歳未満へと、ともに18歳も一気に引き上げたことだ。 55歳や50歳は、厚労省の区分では、壮年期の上の中年期にあたる。ただでさえ「世界一高齢の軍隊(軍事組織)」といわれる自衛隊だが、今回の採用年齢引き上げにより、さらに高年齢化が進みそうだ。 見方を変えれば、安倍晋三首相が企業の継続雇用年齢を65歳から70歳に引き上げる方針を示す中、政権の意向を先取りしたといえるかもしれない。 自衛隊そのものが「定員割れ」 予備自衛官とは、ふだんは別の仕事に就き、いざという場面で自衛官の仕事を補う元自衛官などのこと。例