報道陣の取材に応じる、亡くなったウィシュマ・サンダマリさんの妹ワヨミさん(左)とポールニマさん(中)。右は代理人の指宿昭一弁護士=10日、東京・霞が関で 名古屋出入国在留管理局に収容中のスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん=当時(33)=が死亡した問題で、遺族らは10日、生前の様子を収めた監視カメラ映像の開示を求め、出入国管理庁を訪れた。遺族は代理人弁護士の同席を求めたが認められず、この日の視聴を見送った。
東京都議会臨時会最終日の20日、新型コロナ対策費を盛り込んだ都の補正予算案に対し、立憲民主党から修正の動議が出された。予算の総額から10億円分の削減を求める内容だ。 この10億円は「ワクチン接種促進キャンペーン事業」の経費。接種をためらう若年層に接種を促すPR費用が7割超を占める。討論で立民の阿部祐美子氏は「若者が接種を望んでもワクチンが足りない現状で、こんな税金を投じるのは理解できない」と批判。「接種しやすい環境整備こそ都の責務。若者の意識に責任転嫁すべきでない」と訴えた。 修正案は結局、共産党や無所属の議員を除く反対多数で否決となった。ただ前日の本会議質疑では、小池都政を支える都民ファーストの会や自民党ほか複数会派からも「事業効果を検証する仕組みが必要だ」「どう実効性を高めるのか」などの疑義が続出。都側は「予算の範囲で最大の効果が得られるようにする」と繰り返すにとどまっていた。
【動画】23回助け求めても3時間放置…ベッドから落下のウィシュマさんに職員 入管庁が映像公開 「人の道を外れてる」と遺族ら 名古屋出入国在留管理局で収容中のスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん=当時(33)=が死亡した問題で、出入国在留管理庁は12日、監視カメラ映像の一部を遺族に公開した。亡くなる8日前、ベッドから落ち23回も助けを求めたが、3時間放置された状況を確認。遺族は「姉は動物のように扱われ殺された。日本の全ての外国人に見てほしい」と訴えた。
政府の新型コロナウイルス対策が国民の理解や共感を得られない背景には、政治家の発信力不足だけでなく、政策決定過程の不透明さがある。政治判断の核心部分はブラックボックスの中だからだ。 5月14日に開かれた専門家らによる政府の基本的対処方針分科会は、異例の展開をたどった。政府は群馬、石川など5県をまん延防止等重点措置の区域に追加することを諮ったが、メンバーからは当初案になかった北海道など3道県への緊急事態宣言発令を求める声が相次いだ。閣議出席のため中座した西村康稔経済再生担当相は、菅義偉首相と相談した上で、専門家の意見を全面的に受け入れることを決めた。 以前の分科会は、政府の方針に「お墨付き」を与えることの繰り返しだった。だが、この日の会合では専門家から「諮問の原案が決まった経緯や、地域の細かい事情について、情報を持っていない。(政府が)最初にもう少し説明をしてから議論してもいいのではないか」と
東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は4日、大会関係者全員に課している新型コロナウイルスのPCR検査で、陽性が確認されながら個人が特定できていないケースが8件あると発表した。コロナ対策で関係者と外部を遮断する「バブル(泡)方式」にさまざまな「穴」が指摘される中、組織委が繰り返し強調する「強靱な検査体制」でもほころびが浮かんだ。(小嶋麻友美) 唾液を採取する検査は職務に応じて、毎日や4日に1回などの頻度で実施が義務付けられている。原則として、各自は競技会場などで検体を提出するとともに、登録サイトで検体の11桁のバーコード番号、個人の7桁のアクレディテーション(参加資格証)番号と生年月日を入力する。
東京五輪のボランティアが首都高速道路で当て逃げ事故を起こしたことを受け、警視庁は3日、大会組織委員会に対し、事故防止を徹底することを文書で申し入れたと明らかにした。申し入れ文書は2日付。 警視庁の直江利克交通部長名で組織委の輸送局長宛てに出した。運転手の健康管理を含め交通事故を防止する措置を取ることや、事故発生時に負傷者の救護や報告など適切な対応を取るよう求めた。 警視庁によると、当て逃げ事故は1日午後6時ごろ発生。50代の男性が大会関係車両を運転中、首都高速道路で車2台に追突したが、そのまま走り去ったとされる。うち1台に乗車していた女性2人が救急車で搬送された。男性は「オリンピックのスタッフを送ることを優先した」と話したという。五輪が開幕した7月23日~8月2日に大会関係者の事故は人身事故1件、物件事故79件。一時不停止や駐車違反などの違反は31件あった。
菅義偉首相は28日、新型コロナウイルスの全国的な感染急拡大を受けて、西村康稔経済再生担当相、田村憲久厚生労働相ら関係閣僚と行った協議内容について、記者団に説明しなかった。この日は、東京都で確認された新規感染者が初めて3000人を超えたが、官邸側は「本日はお答えする内容がない」(首相秘書官)として、首相の取材対応を拒否した。
東京五輪・パラリンピック組織委員会は28日、五輪開会式が23日に行われたオリンピックスタジアムで、スタッフやボランティアに用意した弁当など1万食分のうち、約4000食分が消費されず、余剰になったと発表した。他の競技会場など、全体で約2~3割の食品が余る状態だったことを確認したと言う。 組織委はこうしたデータを元に、今週以降、適正な発注量になるよう是正しているとしている。「多くの食品ロスが生じていたことについてはおわび申し上げたい」とコメントした。 高谷正哲スポークスパーソンは、余剰分は「基本的には飼料化、バイオガス化している」と説明。要因については、需要の見積もりが甘かったことを認め、特に23日のオリンピックスタジアムでは「スタッフが多かったので発注量も多かった。実際には食べなかった人がたくさんいたというに尽きる。時間に追われながら勤務したり、早めに済ませて業務に臨んだ人もいたのではないか
東京都の小池百合子知事は28日、都庁で報道陣の取材に応じ、新型コロナウイルスの新規感染者数が27日に過去最多の2848人となり、増加傾向に歯止めがかからないことについて「ワクチンを、ぜひ若い方も打っていただきたい」と接種を呼び掛けた。 小池知事は、ワクチンを受けた高齢者が感染し重症になる割合が大幅に低下していることに言及した上で、「逆にワクチンを受けていないけれど、重症、中等症になる若い世代が増えている」と指摘。「若い方々の行動パターンが、鍵を握っている。自分がよければではなくて、結果として人にうつすと、医療体制が逼迫(ひっぱく)する。去年の夏も、年末も、お正月も、ゴールデンウィークもなく、ずーっと頑張っている医療従事者のことも考えていただきたい」と協力を訴えた。 医療体制にかかっている負荷についての認識については「基本的に、3つの柱でやっている。自宅、ホテルなどの宿泊療養施設、そして病院
1964年の東京五輪の開会式を見て、当時の国内の著名作家たちは、さまざまな文章をつづり、記録し、表現した。そして2021年の東京五輪は―。作家の中村文則さん(43)に、23日夜の開会式を見た後で、寄稿してもらった。 なかむら・ふみのり 作家。1977年、愛知県生まれ。福島大卒。2002年に「銃」で新潮新人賞を受賞しデビュー。05年、「土の中の子供」で芥川賞。20年、中日文化賞。主な著書に「掏摸(スリ)」(大江健三郎賞)「教団X」「逃亡者」など。東京都在住。
新型コロナウイルス緊急事態宣言下での東京五輪開幕まで1週間を切った。東京都では17日まで4日連続で新規感染者が1000人を超えるなど、感染状況は明らかに悪化傾向にあり、大会の中止を求める世論は根強い。だが政府には、状況次第で中止を検討する考えは既になく、このまま開幕を迎える方針だ。 菅義偉首相は16日、政府の東京五輪・パラリンピック競技大会推進本部の会合で「安全安心の大会の実現に向けて最後まで高い緊張感を持って取り組んでほしい」と話した。17日の読売テレビ番組では「たとえ無観客でも、感動を世界に届ける。難局を乗り越えられると発信することに意義がある」と強調した。 15日に開かれた都のモニタリング会議では、新規感染者の増加が今のペースで続けば、五輪閉幕直後の8月11日には直近1週間平均で約2400人に達するとの試算が示された。だが政府高官は「それくらいなら大丈夫。中止はない」と意に介さなかっ
東京五輪・パラリンピックの選手ら訪日関係者向けに開発している健康管理アプリ(オリパラアプリ)の事業費や国民から「ありがた迷惑」などと批判の声が上がった、いわゆる「アベノマスク」の配布などを巡り、国会による会計検査院への検査要請が見送られることとなった。参院決算委員会で、契約の妥当性を調べるよう提出した野党の要請案に、「(同院の)検査事項が多い」として与党が同意しなかったためだ。(坂田奈央) 会計検査院への検査要請項目の決議は、全会派一致が慣例。野党は①全戸に2枚ずつ布マスクを配布した事業の詳細な経費をはじめ、②当初は73億円の事業費だったオリパラアプリなど新システムの契約手続きや管理③給付金事業の事務費④予備費の使用―について検査を求めた。だが、いずれも与党が同意せず、予備費に関しては政府に適切な措置を求める「措置要求決議」にとどまった。 決議に向けた協議は与野党の委員会理事らの間で行われ
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