「原則40年、最長60年」と定められている原発の運転期間を巡り、経済産業省は8日、再稼働に向けた原子力規制委員会の審査で、停止している期間を運転年数から除外する案を、有識者会議で示した。この案では、運転開始から60年を超えた稼働が事実上可能となる。委員の多くが同時に示された運転期間の上限撤廃案を支持したものの、経産省は「停止期間除外」案を軸に検討し、年末に法整備に向けた結論を出す。(増井のぞみ) 原発の運転期間の上限は、2011年の東京電力福島第一原発事故を踏まえてリスクを減らすため、民主党(当時)、自民党、公明党の与野党が合意して原子炉等規制法(炉規法)に盛り込まれた。ただ岸田文雄首相は今年8月、電力需給逼迫(ひっぱく)の克服や50年の脱炭素社会の実現のため、運転期間の延長を指示した。