「ちょっとサイズは合わないんだけど、今、これしかないから押さえといて」 今年の初夏、ある外食チェーンの幹部は現場にそう指示した。この幹部は、店舗で使用する冷蔵庫の調達に苦心したと打ち明ける。だが、無事に調達できたこのチェーンはまだ、恵まれているほうだろう。 コロナ禍で一時控えていた出店を再開させる動きが加速する外食業界。しかし今、大手を中心に出店計画に大幅な遅れが生じるケースが増えている。 例えば吉野家ホールディングスは今2023年2月期に、「吉野家」「はなまる」事業で47店出店する計画だ。しかし第1四半期(2022年3~5月期)の出店はわずか3店舗にとどまった。 「ある程度(価格が)高いのは目をつぶれるが、そもそもモノ(厨房機器)が調達できず、思うように出店できなかった」と担当者は語る。吉野家の店舗改装においても、通期計画の110店に対する進捗は8店舗。「今後アクセルを踏み、巻き返せる見