ホセ・デ・リベーラ『聖アンデレの受難』(1628年) テネブリズム(Tenebrism)は、光と闇の強烈なコントラストを用いた絵画のスタイル。語源はイタリア語のテネブローソ tenebroso (闇) で、dramatic illumination (劇的照明)とも呼ばれる。明暗法のより高まった様式で、暗闇から人物が浮かび上がったような画面を作る。この言葉はここ10年ほど美術史家はほとんど用いておらず、明確な定義も不足している。用いられるとしたら、スペインの、とくに17世紀の画家たちにで、他と区別するため、語頭を大文字で書く。 テネブリズムと明暗法の違いを、最も良く説明しているのは、ドイツの美術史家ルドルフ・ウィットカウアー(1901年 - 1971年)の次の文であろう。 カラバッジオの光は孤立している。それは空間も空気も作らない。その絵の中の闇は否定的な何かでしかない。つまり闇とは、光が