Ryuichi Nambu ACTANT FORESTの活動に多くのインスピレーションを与えてくれている「Lo-TEK(ローテク) Design」という考え方がある。「Lo-TEK」とは、粗野な技術を意味するローテクではなく、土着の人々が昔から継承してきた文化的知恵や実践を意味する。気候変動のリスクに対して、新しいイノベーションが必要だということは誰もが認めるところだが、環境維持に対して優れたアイデアは近代以前からたくさん存在し、今も私たちの手元にあることはあまり認識されていない。『Lo-TEK Design by Radical Indigenism』の著者である建築家のジュリア・ワトソンは、例えば、豪雨に耐えるレジリエンスの高い橋、農作物も豊かにする下水処理システムなど、前近代的な土着の技術に改めて着目し、「Lo-TEK」という言葉でデザインの文脈に接続してみせた。人新生の時代における