広範に及ぶ災害がもたらした「共通体験」と「自分化」 先週のコラム「震災後のネット利用拡大から見えてきた3つのトレンド」に多くの反響をいただいた。寄せられたコメントを見ると、特に「情報リテラシーの向上」という部分に関して説明が足りなかったように感じるので、今回はそれを中心に説明を追加したい。まず「なぜ向上したか?」という背景について、そして「それが今後何をもたらすか」ということについて、それぞれ筆者の仮説を立てながら考えたいと思っている。 最初はなぜ情報リテラシーが向上したかであるが、いくつかの異なる要素が絡みながら作用したのではないかと考えている。一見、相反するように見えるが、大きく分けると「共通体験を自分化したこと」と「情報の個別化、不確実性」の2つにあるのではないかと考えている。 まず、今回の震災では今までの自然災害と比べより多くの人が共通体験をしたのではないだろうか。震災の揺れは震度
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