この原稿は昨日買ったばかりのiMacで書いている。 例によって、パソコンが壊れたからだ。 いま、「例によって」と書いたのは、事実として、パソコンの死が、私にとって日常の出来事だからだ。 放置しておいた正月の餅にカビが生えるのとまったく同じように、パソコンは、ごくごく日常的にクラッシュする。私は驚かない。どちらかといえば、去年の暮れに金魚が死んだ時の方が動転したかもしれない。 実体験から申し上げるに、パソコンは、あるタイミングで頓死するものだ。あれは、徐々に壊れるような柔軟な機械ではない。天寿をまっとうすることもない。大往生もしない。デジタルのこしらえものは、ある日突然、箱の中のカブトムシみたいに急死する。それも、多くの場合、働き盛りの一番忙しいときに。 とはいえ、注意深く観察していれば、かすかにではあるが、予兆が無いわけではない。 たとえば、ハードディスクがクラッシュする前段階では、ディス
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