私は若い頃から貧血気味だった。だから、母はよくレバーを買ってきてくれた。その母はレバーが嫌いで、私と父だけがレバーを食べていた。甘辛い焼き鳥風のレバーが私は好きだったけれど、体調が良くないときにはあの匂いはやはり鼻についた。 イタリアに来て、多くの友人たちと田舎のレストランに行ったときのことだ。 郊外のレストランにはよくあることだが、アラカルトのメニューはなく、席に着くと決まったメニューが前菜からデザートまで次々に登場する。そのレストランの前菜のひとつに、レバーの煮込みがあった。なにをどうやって料理したのか、まったく臭みがなく、非常においしく、私は夢中で食べたのを覚えている。イタリア人にはレバーが食べられない人も多かったから、私の前には大量のレバー料理が山と置かれたが、そのあとに登場するパスタや肉料理はもういらないというくらいあの日はレバーを食べた。が、少しももたれなかったのを思い出す。な