談志ファンとして人後に落ちないと自負している自分。 アマゾンで本書が出ていることを知って、1・7秒後には購入手続きを始めていました。 何がすごいって、本書の約9割のまくらはCDで聞いていて知っていました。 ただ、活字で読むのもまた格別。 ヒアリングが不十分で勘違いして聞き取っていた部分も分かり、そういう意味でも収穫でした(ただし、本書の編集者が間違って聞き取っている可能性もあります)。 談志といえば、「落語は人間の業の肯定」という名言が有名ですが、人間の業を、そしてまたその深さを、透徹した眼差しで見詰めていた不世出の落語家でした。 たとえば、「酒は人間を駄目にするものじゃないですよ。人間は駄目なものだと確認する為に酒は存在する」なんて、本当にその通りと思います。 9・11の同時多発テロでは、米国民だけでなく日本人の多くも悲嘆に暮れました。 談志は違います。 「ちょうど(ニューヨークの)テロ