ブックマーク / blog.livedoor.jp/route408 (8)

  • 入社したてのころ : 有機化学美術館・分館

    4月10 入社したてのころ 4月ということで、新しい環境で当ブログをご覧になっている方も多いかと思います。筆者は今までけっこうちょくちょく環境が変わった方と思いますが、やはり会社に入り、社会人になった時というのは思い出深いものがあります。あれから18年経ったというのが信じられませんが、年をうわけですね。 筆者は某有機系の研究室から、国内某製薬企業に入りました。入社直後の研修期間中は営業やら事務やら、他のいろいろな部署に行く予定の同期たちと一緒だったのですが、これはカルチャーショック以外の何者でもありませんでした。何しろ筆者はコテコテの理系大学に6年通い、女っ気のない環境でひたすら実験に打ち込み、それでも「俺たちはヘラヘラ遊び呆けてる奴らとはわけが違うんだ」と自分に言い聞かせて、歯をいしばりながら必死に実験に打ち込んできたわけです。 ところがいざその「ヘラヘラ遊び呆けてる奴ら」と一緒にな

    入社したてのころ : 有機化学美術館・分館
    vladimir3232
    vladimir3232 2013/04/11
    入社したてのころ
  • 研究室の選び方 : 有機化学美術館・分館

    10月7 研究室の選び方 さて先日お伝えしました通り、現在東京理科大で天然物化学の講義を受け持っておりますが、その授業資料を公開することといたしました。有機化学美術館・館の一番下の方にリンクしてあります。興味のある方はご覧下さい。合計14回ほど授業がある予定ですので、順次アップして行きます。何か間違ったことを書いていましたら、ご指摘をいただければ幸いです。 で、筆者が受け持っているのは3年生ということで、もうしばらくすると研究室選択の時期になります。どこの研究室に所属するかというのは、下手をすれば(下手をしなくても)人生が変わる事柄ですので、いろいろと悩みどころかと思います。 ということで昨日ツイッターで皆様の意見を聞いてみましたら、やはりいろいろな基準を示す人がおられました。「たゆたえども沈まず」さんでも関連の記事が書かれています。 諸先輩の意見をまとめると、だいたい次の通りでしょうか

    研究室の選び方 : 有機化学美術館・分館
    vladimir3232
    vladimir3232 2012/10/07
    研究室の選び方
  • オリーブオイルの化学 : 有機化学美術館・分館

    5月11 オリーブオイルの化学 さて近ごろ、朝の某番組のおかげでオリーブオイルが(ある意味で)人気を集めているようです。特にこの日は壮絶な使いっぷりだったようですね。 ハイアングルからオリーブオイル投下。 オリーブオイルは健康によいとよく言われます。これは、その分子構造に理由があります。オリーブオイルを含めた油脂類は、長くにょろにょろと伸びた脂肪酸が3つ、グリセリンに結合した構造です。 油脂の構造の一例 脂肪酸は、炭素鎖の長さ、含まれる二重結合の位置と数など多くのバリエーションがあります。上の図でいえば、上のピンク色は炭素16個で二重結合なしのパルミチン酸、真ん中の黄色は18炭素で二重結合2つのリノール酸、下の紫色は18炭素で二重結合3つのリノレン酸です。 さてオリーブオイルの成分はどうかというと、約8割が18炭素に二重結合一つのオレイン酸です。オレイン酸(Oleic acid)の名前自体

    オリーブオイルの化学 : 有機化学美術館・分館
    vladimir3232
    vladimir3232 2012/05/11
    オリーブオイルの化学
  • 研究者のセルフブランディング(2) : 有機化学美術館・分館

    4月17 研究者のセルフブランディング(2) さて前回、書類審査では全然その人の実力なんぞは見抜けないという話をしました。で、審査側として目につくファクターは受賞であるといいましたが、もちろんグローバル化の声がかまびすしい昨今にあっては、英語力も大変重要なのは間違いありません。 といっても最近では、学生でもTOEIC850点とか英検準一級とかいう猛者もかなりたくさんいるようです。もちろんこれだけの力を身につけられればベストなのですが、そう一朝一夕に英語力がつくものではありません。そんな人は、とりあえず一度短期でもいいから海外に行ってくるというのは有効かと思います。少なくとも海外経験があり、心理的障壁がないというだけでも、今後伸びる余地があると見なされるでしょう。 また海外に行き、異文化に触れるという体験は、自分を大きく成長させてくれるものです。筆者はグローバルCOEのスタッフとして、短期留

    研究者のセルフブランディング(2) : 有機化学美術館・分館
    vladimir3232
    vladimir3232 2012/04/19
    研究者のセルフブランディング(2)
  • プロセス化学のこと : 有機化学美術館・分館

    4月12 プロセス化学のこと プロセス化学と呼ばれるジャンルがあります。これは実験中にドロップキックやダブルアームスープレックスなどを繰り出すというものではなく(それはプロレスです)、医薬品などの化合物の大量供給法を確立する研究を行う分野です。作り出された化合物は、臨床試験や市販薬として、実際に人の体に入っていくことになります。なので筆者は、近著「創薬科学入門」で、「プロセス化学は創薬科学と社会をつなぐ架け橋である」と表現しました。 しかし架け橋となる研究であるだけに、プロセス化学には独特の苦労がつきまといます。実験室で作る化合物はだいたいミリグラム単位、多くてもせいぜい数百グラムです。経験した方ならおわかりの通り、自分で作るとなると数段階・数十グラムでも相当に気を遣い、納期の決まった仕事ともなると精神・肉体ともにヘトヘトになるくらいのものです。 しかし、プロセス化学で作る化合物は、数百キ

    プロセス化学のこと : 有機化学美術館・分館
    vladimir3232
    vladimir3232 2012/04/15
    プロセス化学のこと
  • 瞬間接着剤とは何なのか : 有機化学美術館・分館

    3月24 瞬間接着剤とは何なのか 職場ブログにて、天然物化学研究室の成果を紹介しております。分子量2076の怪物・ブレビスルセナールFの構造決定のお話です。ぜひご覧のほどを。 さて題。最近はテレビCMもややこしいものが多く、商品の性能を真っ向から訴える正統派のCMはあまり見なくなった気もします。そんな中、アロンアルファのCMは毎度のことながら「当か!?」と驚かされるものばかりで、とても印象的です。 この異常ともいえる接着力の秘密は何なのか。実はこれは偶然に発見されたものなのだそうです。1951年、イーストマン・コダック社の研究者が、初めて2-シアノアクリル酸メチルという化合物の合成に成功しました。で、彼らがこの化合物の屈折率を測ろうとして、屈折計のプリズムにこの化合物を塗ったところ、これが剥がれなくなってしまったというのが発見のきっかけなのだそうです。 2-シアノアクリル酸メチル この

    瞬間接着剤とは何なのか : 有機化学美術館・分館
    vladimir3232
    vladimir3232 2012/04/13
    瞬間接着剤とは何なのか
  • マラルディの角度 : 有機化学美術館・分館

    2月18 マラルディの角度 えーちょっと宣伝。国道のブログを始めました。タイトルは「国道系。」お前そんなもん書いてるヒマあるのかといわれそうですが、まあぼちぼち時間を見つけて書いていこうと思います。よろしく。 さて題。 「マラルディの角度」という言葉をご存知でしょうか。イタリア生まれの天文学者であるジャコモ・フィリッポ・マラルディは、六角形を成す蜂の巣の底面に、菱形が見えることに気づきました。彼がこの菱形の角度を算出したところ、鈍角の方が109°28'になったことから、この角度を「マラルディの角度」と呼ぶようになったのです(蜂の巣の図は前川淳氏のブログにあります)。 この角度にわざわざ名前がついているのは、自然界のいろいろなところに顔を出す数値であるからです。たとえばぶくぶくと出てくるあぶくにも、この角度が出てくることがあるそうです。これは、膜の表面積が最少になるような構造に、この角度が

    マラルディの角度 : 有機化学美術館・分館
    vladimir3232
    vladimir3232 2012/02/20
    マラルディの角度
  • 違うけれど似てるもの : 有機化学美術館・分館

    2月11 違うけれど似てるもの 先日、こちらで「似ているけれど違うもの」という記事を書きました。非常によく似た構造であるのに、味や匂いが全く違う化合物がたくさんあるという話で、「人体というのはなんと素晴らしいセンサーを備えているのだろう」などという感想をかなりいただきました。 が、実を言うとそうばかりでもないのです。「どう見たって全然違うのに、なんでこれが同じ作用なわけ?」という化合物もまた、たくさんあったりするからややこしいところです。 たとえば、麝香(ジャコウ)あるいはムスクと呼ばれる香料があります。もともとはジャコウジカの腹の香嚢から採取された香りで、高価な香水の原料として非常に人気を集めました。このためにジャコウジカは絶滅寸前に追い込まれ、ワシントン条約で保護されているほどです。 そのムスクの匂いの元になっているのは、下図のように炭素が15個つながって環を成した構造の化合物で、その

    違うけれど似てるもの : 有機化学美術館・分館
    vladimir3232
    vladimir3232 2012/02/17
    有機化学美術館・分館:違うけれど似てるもの - livedoor Blog(ブログ)
  • 1