夏3度の甲子園出場を誇る所沢商(埼玉)に「二投流」エースが現れた。増田一樹投手(3年)だ。プロ野球で注目される日本ハム大谷のような打って投げる「二刀流」ではない。左右どちらでも投球可能な両投げ投手だ。右肘を故障して左投げを始め、その故障が完治して今年、左右両投げのエースが誕生した。埼玉大会の初戦は11日、児玉相手に異色の背番号1がその実力を披露する。 【写真】プロの両投げ投手、近田豊年の右投げと左投げ シート打撃の登板を終えたばかりの増田に、福地利彦監督(54)から声が飛んだ。「最後5人、右で投げてみろ」。左腕からの横手投げで打者に対したエースに、再度の登板令が出た。6月末、所沢商グラウンドでのことだった。15分後、右上手投げとしてマウンドに上がった。 右は最速138キロの速球にスライダーを交えて力勝負を挑む。左は130キロの速球と、スライダー、チェンジアップを持つ。増田は「1年秋から